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無常の月

ラリイ・ニーヴン 冬川 亘 他訳 ハヤカワ

・時は分かれて果てもなく ・路傍の神 ・霧ふかい夜のために
・待ちぼうけ ・ジグソー・マン ・終末も遠くない ・未完成短編一番
・未完成短編二番 ・スーパーマンの子孫存続に関する考察
・脳細胞の体操──テレポーテーションの理論と実際
・タイム・トラベルの理論と実際 ・無常の月
・マンホールのふたに塗られたチョコレートについてきみには何が言えるか? ・地獄で立往生

誤訳だらけの「プロテクター」初版を10年前に読んで、ニーヴンは無視してたが、最近やっと読み始めた。本書で一番面白い「脳細胞の体操」はSFRPG「トラベラー」にルール化されてまっせ。(河村)

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無伴奏ソナタ

オースン・スコット・カード ハヤカワ

以外にも全編に流れるのは無惨でグロテスク、残酷で悲惨な話が多いということだ。やはり傑作はヒューゴ賞受賞の「エンダーのゲーム」だ。長編化した「エンダーのゲーム」の方がやはりディテールの書き込みやエンダーの過去など数段まさっている。短編しか読んでいない人はすぐに長編を読みなさい。あと面白いのは長編の「ソングマスター」の元となった表題作「無伴奏ソナタ」だ。ただしこちらは全然別の話である。「無伴奏」の方は歌を奪われたシンガーの話。「ソング」の方は歌うことをやめたシンガーの話。「無伴奏」の方がやはりかなり残酷である。「ソング」方はあまり残酷と言う感じは読んだ当初はしなかったが、この短編集を読むとやはり残酷な話であったように思える。(神谷)

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夢馬の使命 魔法の国ザンス6

ピアズ・アンソニイ 山田順子訳 ハヤカワ

ストーリーは1巻2巻のようにラストで意外などんでん返しがあり、1巻2巻の次に面白かったが、キャラクターの教養や知的レベルが低くて情けないシーンがあるのだ。 ザンスに謎の奇病が発生し、王も女王も大魔法使いも仮死状態になってしまった。そんな時にタイムトラベルシールドが暴走し、紀元前201年のカルタゴ軍がザンス内に出現した。ヒトラー、ナポレオンとともに三大天才軍事家と評されるハンニバル・パルカのローマ遠征軍である。ハンニバルはローマにしては妙だと思うが、前人未到のアルプス越えをしたのだから、このルートによる進軍は初めてである。疑問を抱きながらもハンニバル軍はザンスを攻撃する。でも大丈夫心配は要りません、ビンクが先頭に立てば絶対にザンス軍は負けない!が、ビンクも奇病に倒れてしまう!?ザンス軍の指揮を執る事になったドオアは、3倍以上の戦力比を持つ敵に対し陣地戦を選択し、呆気なく敗走した。ザンス軍には魔法があるが、知的レベルの低い使い方では意味がなかった。どうなるザンス!20世紀の歴史学者のイボガドも何の役にも立たんかったぞ! 「ハイ、では軍事評論家のボーニイ・必虎さんドウゾ。」 「いけませんね。ここは陣地戦による固定防禦ではなくて、機動戦を仕掛けるべきでしたね。自分で考える頭がなくても、歴史をひも解けば、同じような状況で、前371年にテーベイ軍のエパミノンダスは斜形陣戦法で機動戦を仕掛け、ボイオティアのレウクトラで、見事にスパルタ軍を破り、クレオンブロトスもぶち殺しているんです。スパルタ軍の戦力は4/5までステップロスし、大国といえなくなり、200年続いたペロポネソス同 盟も崩壊するのです。」 「ホーカイ、ホーカイ、軍事だけでいいのに喋り過ぎやで。で、その斜形 陣戦法とはどんなんかんな?」 「図を見てください。魔法に頼って頭を使わなくなったザンス人と違って皆さんなら理解できるでしょう。」

スパルタ軍の正統ファランクス ○○テーベイ軍の斜形陣

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というわけで、歴史学者のイボガドは中学生並みの知識しかなかったということで、何かの伏線かもしれんので覚えておこう。(皮肉だよ〜ん) しかし、新撰組マニアとか日本軍マニアとか戦国マニアはけっこーいるのに、西洋史オタクが目立たんのは何でやねん。歴史○○という雑誌だって日本史ばかりやねえけ。誌名に日本を付けないのは詐欺である。ボウガンさえ発明出来ずに、いきなり鉄砲を猿まねする低能民族の戦いのどこが面白いのか?日本史などに学ぶところなどありゃせんがね。(河村)

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