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ミクロの決死圏2

アイザック・アシモフ 浅倉 久志 訳 ハヤカワ

本書は映画のノヴェライゼーションであった前作に不満を持つアシモフが、映画会社の「2」の原案も、P・J・ファーマーが書いた「2」も無視し、虚栄心の固まりでデッチあげた、ハードSFパスティーシュパロディスラップスティックエピゴーネンである。ハードSF風パロディは短編でバロウズの火星シリーズをハードSFにしたものをギャレットかセイバー ヘーゲンあたりが書いていたと思うが、さすがアシモフ、大長編でハードSFパロディを書くとは凄い。プランク定数を捻じ曲げて、プッ、ミクロ化技術の成功は、ププ、超光速飛行も、ギャハ、反重力もできるようになるんだってよ、ギャハハハ!そしてラストで、はらわたがねじくれるメチャメチャな大どんでん返しがあります。前作は目から脱出し、「インナースペース」はくしゃみとともに口から脱出した。本書はもちろん目も鼻も口も脱出路にするわけにはいきません。どこから帰還するか大いに考えて笑ってください。続編ではなくリメイクである。これを映画にしても、前作にも「インナースペース」にも劣ると思う。パロディとして読むのなら、ミクロ潜航艇のアッと驚く欠陥とか、笑いどころはいっぱいある。どえりゃあ暇な時間があって笑う心の余裕がある時に、何も読む物がなければ読めばぁ〜。訳者あとがきだけは立ち読みして、アシモフへの怒りを忘れずにおこう。(河村)

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未来の二つの顔

ジェイムズ・P・ホーガン 山高 昭 訳 創元

信じられないぐらい凄くて面白い素晴らしい作品。SFのオールタイムベスト1だ!ん?「創世記機械」の時も同じような事を書いた気がする。J・P・ホーガンの作品が10作訳されてしまったら、古今東西SFベスト10でありながら、一位から十位まですべてホーガンの作品で占められる日が来るのでしょうな。現代においてホーガンは世界一の知的レベルのSF作家である。ホーガンとなんとか比較できるのはA・C・クラーク、アイザック・アシモフ、ペリー・ローダンぐらいのもんで、他のSFはあまりにもレベルが低いと言わざるを得ない。アニメにいたっては何をいわんかやである。ホーガンのSFを読んだ事があるのに、ぬえアニメを面白いと見ている奴等の精神構造が理解できん。ホーガンを知った後にはバカバカしくて見てられないのが普通の脳を持つ人間だと思うのだが・・・。ホーガンを読んだ事があるのにぬえアニメを見る事のできる奴等の頭はホモ・サピエンスじゃなくて、のた魚の脳でも詰まっているのだろう。 で、本書は、直径1.5マイル密閉型スペースコロニー≪ヤヌス≫において戦われた、コンピュータ【スパルタクス】対人類の、命を賭けたシミュレーションウォーゲームを描いたお話である。 ストーリー、イメージ、語り口、キャラクター、アイデア、ムード、テーマ、小説を楽しんで感動する要素がすべてこの一冊にはある! 本書を読んだ後でも、敵が攻めてきたら俺は戦うぞ!とマジに言う奴に、いくら平和の尊さ、人命の重さ、戦争の無意味さを訴えたところで無駄である。勝手に軍人にでも従軍慰安婦にでもなって死になさい。(河村)

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