著作権騒動
ジオシティーズの規約改定がアナウンスされたとたん、やはり想像通りの騒ぎが持ち上がりました。

騒ぎの原因となったのは「Yahoo!JAPAN の利用規約がジオシティーズユーザにも明確に適用されるため、Yahoo!JAPAN 利用規約第7項も全ユーザに明確に適用される」という一点。
 第7項がどういう項目かといいますと、以下のようなものです。

Yahoo! JAPANには掲示板など、ユーザーのみなさまが送信(発信)したコンテンツを不特定多数のユーザーがアクセスできるサービスがあります。
このような不特定多数のユーザーがアクセスできるサービスに対してユーザーがコンテンツを送信(発信)した場合、ユーザーはYahoo! JAPANに対して、当該コンテンツを日本の国内外で無償で非独占的に使用する(複製、公開、送信、頒布、譲渡、貸与、翻訳、翻案を含む)権利を許諾(サブライセンス権を含む)したものとみなします。また、ユーザーは著作者人格権を行使しないものとします。
なお、この条項は、他のユーザに対してYahoo! JAPANが当該コンテンツの使用許諾をすることを約束するものではありません。

……「サービスの範囲」が明確になっていないため、ジオシティーズのサービスである「WEB領域の提供およびWEBによるファイルの公開」も含まれてしまうと読まれてしまったわけです。
 ついでに言えば、「非独占的な使用権をYahoo!JAPANに与え」「著作者人格権を行使しないものとする」とあるため、「じゃあ、Yahoo!JAPAN は俺達の作ったものを勝手に出版して儲けても文句言うなって事か!?」とも読まれてしまいます。

まあこのへんに付いてはIMPRESSの記事でも読んでもらうとして、数日この話題があちこちで(Yahoo!掲示板や2ちゃんねるまで含めて)取り上げられ、ファイル移転を開始するユーザなども出始めたわけです。
 連休明けの10/10に、ユーザに対する回答としてジオシティーズはこんなものを公開。ちなみに公開当初の文面では、「ジオシティーズがユーザのコンテンツを利用する範囲」は全く明示されておりません。「○○のような場合」といった曖昧な表現で、以下の三点が挙げられているのみです。
  1. 法的根拠がある公的機関からの問い合わせに対して、資料を提供するような場合
  2. ジオシティーズのプロモーションとして、スクリーンショットを利用するような場合
  3. ジオシティーズのプロモーションとして、コンテンツの内容を利用するような場合
 しかし、問題は第三点(赤い字で書いてあります)。「プロモーションって何だ?」というツッコミが、あちこちの掲示板で入りました。あと、これは少数のようですが「内容の利用ってどんな事だよ?」とも。
 まあたしかに、コンテンツを丸ごとCD-ROMに収めて販売し、これをプロモーションであると主張する事もありえるわけです。あらかじめ定義されていなければ、企業の体力に物を言わせた、やった者勝ち作戦だって取れないわけではありません。

 「そんなに疑うなんて、おかしいんじゃない?」というご意見も、当然あるわけなんですが……
 性善説に乗っ取って相手を信じるという事はまことに結構なんですが、約款・契約に「○○をする事はいたしません」と宣言していない限り、何をやろうが契約違反ではありません。違法かもしれませんが、少なくともユーザとしては契約違反だとして相手を責める事ができなくなります。
 ……もとから運営はザル(*)のジオシティーズですが、いくらなんでも約款(規約)までザルは困るというものです^^;;

今後の展開が待たれる中で、IMPRESS も再度、この件を取り上げました

……それはいいんですがね、問題は以下の部分です。
> また、「ヤフーがユーザーのコンテンツを勝手に販売等することは、
> 完全に法律違反。ヤフーは法律を犯すつもりはない」としている。
……本当にそう考えているなら、利用範囲や利用方法を明記したっていいはずなんですけどね^^;
 とゆーわけですから明記してくださいよ、 Yahoo!JAPAN さん。

 ついでに言うと、「Yahoo!JAPAN がコンテンツを使えなくなるのはいつだ?」という事も書いていませんからね。
 常識だと皆が思うであろう解釈は「ジオシティーズのサーバ上からそのコンテンツを消した時、Yahoo!JAPANはそのコンテンツを利用する権利を失う」だと思うのですが、しかしこれも何も書いていない以上、後づけの理由をこしらえる事が可能になっています。
 ……やろうと思えば、「一度載せた以上はうちに使用権を与えたはずだ」と主張する事も可能ってことです。まあ最終的には引っ込めざるを得ない主張かとは思いますが(そんな事はしないというのならこれまた、文中で権利消滅のタイミングを宣言しておいた方がよろしいでしょう)。

 実際にYahoo!JAPANがそこまでおバカであるとは思いませんが、「Yahoo!JAPANがユーザの作成コンテンツを勝手に利用して儲けを出す気では?」と少なからぬ人が勘繰った(Yahoo!はその名称どおり、法律を守らない野蛮人(*)かもしれない、と思われているんでしょうかね^^;)、という事実を理解していないんじゃないでしょうか。
 ユーザに不信感を持たれていることが判明してしまった以上、不信感を拭うためには「いつものやり方」では全く不足である、念には念を入れておかなくてはならない、という事くらいは理解していた方がいいと思うんですが。
 というわけで、読み手に解釈の余地の無いほどの訂正表を早めに提示してもらいたいものです。
 Q&Aだけでは、それが何処まで「規約」の一部として通用するのか、それも不明ですしね。
※余談

 個人的に、ファイルの一時退避を決めたのは「アメリカでも同じ騒動が持ち上がった事があるのにもかかわらず、誤解を招くのに十分なほど中途半端な規約を導入しようとしていたから」だったりします。
 極端な話、中身はどうでもいいんですよ。気に食わなければ引っ越すだけですから。
 しかし、……判ってて中途半端なモノを提示した、というのはいい加減にもほどがありますので、新規約発効後にきちんとした物を提示するまでは退避します(15日までに改訂されるようなら、ファイル抹消はしませんが)。

 それにしても、「疑われるような真似をするな」という事を知らんのは、企業としては問題ありだと思うなあ(呆)

運営がザル
トップページを個人のサイトにリダイレクトしてみたり(トップを見ようとした人が、いきなり普通のユーザのページに飛ばされてしまう)、ヘルプに geocities.com (アメリカのジオシティーズ)のツールの使い方説明を乗っけてみたり、トップページ直下に個人の掲示板や日記へのリンクを作ってみたり(http://www.geocities.co.jp/geobbok.html, http://www.geocities.co.jp/geodiary.html が存在し、しかもそのファイルを見ようとすると個人の掲示板や日記にリダイレクトされる)。
 日記や掲示板のときはさしたる被害も無かったようですが、トップページリダイレクトのときは荒らしが大発生してましたよ。……精神的苦痛を与えた、と言われても無理の無い状態です。
 こういう前例があるわけですから、権利侵害をしない、という口約束(規約には盛り込まれていない)が信用できるかどうか、私でもいささか疑うところです。

 ついでにいうとリダイレクトと言うのは、「偶然に」起きるようなことではありません。WEBサーバの設定を故意に変えてやらない限り、出来ません。
「わざとそのユーザに被害を与えようとしたのではない」のであれば恐らく、なんかのテストでもしたんだと思うんですが……

テストをしたいなら、ステージングサーバくらい用意してそこでやってくれよ(大呆)

野蛮人
Yahoo というのは、もともとはガリバー旅行記に登場した人形の野獣のこと。転じて「粗暴な人間」の意。
 野蛮人、というのはまあちょっと和らげてみています。

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