DYDEETOWN

ホログラム街の女 F・ポール・ウィルスン 98.8.30.
 さて、「ザ・キープ(城砦)」とか、「マンハッタンの戦慄」とかのウィルスンがSFも書いていたんですね。
 どれかのあとがきにもあったかもしれないが、忘れてました。

 長編(と言っても薄いけど)かな、と思って買ったら第一話が全体の1/3ほどのとこで終わり。あら、短編集かと思ったら、次の主人公も同じ。だもんで連作短編かぁ、と思ったら、結局長編でした。<何だそりゃ。

 しかし、ザ・キープも発想と途中の引っ張りはうまかったですが、あれは最後にちょっと不満が残った覚えがあるんです。ところが、こちらはうまいこと納めてます。
 医者だけあって、論理の通ったSFの方が向いてるんでしょうか、それともザ・キープももう少し長くできれば、あの「赤毛の男」のバックグラウンドが明らかになったんでしょうか。<すみません、読んで無い方。でも面白いのは面白いですから、どうぞ読んで見て下さい、ザ・キープ。私ゃあれでウィルスンの名前を覚えたんですから。1冊で。

 また某掲示板で差別問題について不毛な論議をしてた後でもあるんで、タイミングも面白かったですねぇ。
 主人公氏が周りに流されるままの差別感情を持っていたのに、いろいろあるうちにその差別感情が撤回されて行く、そのあたりも。

 世界設定と小道具も面白いものを使ってます。確かにわりとステロタイプな所もありますが、それは今だから言えることかも。何せ10年前の本ですし。
 それより、SF読者にはあまり説明する必要のないガジェットを使うことで、ストーリーに入りやすくする効果があった、という方が大きいでしょう。

 しかし、一時の食糧難時代の法律で子供は1人しか持てないって...なんか中国の一人っ子政策を意識してるような。

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