junk 辞典



junk 辞典


最終更新日:2003/1/5  
収録語数:701  

 おもしろ有機化学ワールドにでてくる術語を主体にした有機化学用語の簡単な解説集です。記事内容が難しいという声がありましたので、有機化学が苦手な方向けにつくってみました。ただ最小限の説明に留めていますし、なにより作者の知識不足による間違いもあるかもしれません。詳細な説明は他の成書類をお読みください。その際に、有機化学を学ぼうという方には、理化学辞典のような辞典類よりも、索引の完備した有機化学の教科書の方が目的に適うと思います。

アキシャル あきしゃる
いす形配座のシクロヘキサン環から結合が垂直方向にのびていること。
アキラル あきらる
自分とその鏡像が重ね合わせられる(同じものである)性質。
アグリコン あぐりこん
配糖体を加水分解して糖をはずした残りの部分に相当する分子。
アジド基 あじどき
N3-。
アジピン酸 あじぴんさん
炭素6個の直鎖ジカルボン酸。ヘキサン二酸に相当。HO2C(CH2)4CO2H。
アシル化 あしるか
アシル基(RCO-)を導入する反応。
アシル基 あしるき
RCO-の構造をもつ基。カルボン酸からヒドロキシ基をとった形に相当する。
アシロイン縮合 あしろいんしゅくごう
2個のエステルのカルボニル基同士をNaで還元的に結合させて、α-ヒドロキシケトンにする反応。
アズレン あずれん
5員環と7員環が縮合した構造に二重結合を5個もつ、外周10π電子系の代表的な非ベンゼン系芳香族炭化水素。ナフタレンの異性体。美しい藍色を示す。
アセタール あせたーる
ケトンやアルデヒドにアルコールが付加した化合物。一般式R1R2C(OR3)OR4
アセチル基 あせちるき
酢酸に由来するアシル基。CH3CO-。
アセチレン あせちれん
もっとも簡単なアルキン。CH≡CH。
アゼライン酸 あぜらいんさん
炭素9個の直鎖ジカルボン酸。ノナン二酸に相当。HO2C(CH2)7CO2H。
アセン系 あせんけい
ベンゼン環が3個以上縮環した多核芳香族炭化水素で、直線的な形状の系列。
アダマンタン あだまんたん
sp3炭素10個がかご状に結合した3環性炭化水素(C10H16)。すべての環がいす形配座のシクロヘキサン環をとっており安定。ダイヤモンドの基本骨格。
アニオン あにおん
陰イオン。
アヌレノイド あぬれのいど
アヌレン型。ひとつながりの平面環状共役構造。
アヌレン あぬれん
環状に共役した二重結合をもつ環状炭化水素。(CH)nの一般式であらわされる。
アノマー あのまー
環状ヘミアセタール構造の糖でアセタール炭素の立体配置の違いによる立体異性体(エピマー)。水酸基が環の上を向くβ体と下を向くα体がある。
アノマー炭素 あのまーたんそ
環状ヘミアセタール構造の糖のアセタール炭素。アノメリック炭素。
ab initio計算 あぶいにしおけいさん
ab initioは最初からの意。分子構造計算法の一種。
アミド あみど
1)カルボン酸とアミンの縮合物。R-CONH2の式で表される。2)アンモニアから水素イオンを引き抜いてできるアニオン(NH2-)。強い塩基性をもつ。
アミノ基 あみのき
-NH2
アミノ酸 あみのさん
分子内にアミノ基とカルボキシ基をもつ化合物。タンパク質の構成単位。
アミン あみん
アンモニア(NH3)の水素をアルキル基で置換した化合物。
アラキジン酸 あらきじん
炭素20個の直鎖カルボン酸。イコサン酸に相当。CH3(CH2)18CO2H。アラキン酸ともいう。
アリル位 ありるい
二重結合に隣接する炭素の位置。
アリルカチオン ありるかちおん
二重結合に隣接する炭素上のカチオン。共鳴安定化されている。
アリル基 ありるき
CH2=CH-CH2-。
アリール基 ありーるき
フェニル基のように芳香族環から水素を1個とった基。
アリルラジカル ありるらじかる
二重結合に隣接する炭素上のラジカル。共鳴安定化されている。
アルカン あるかん
C-CおよびC-H結合のみからなり、不飽和結合をもたない炭化水素。
アルキル基 あるきるき
炭化水素から水素を1個とった形の置換基。
アルキル鎖 あるきるさ
鎖状に繋がった構造の炭化水素基。
アルキン あるきん
三重結合をもつ炭化水素。
アルケン あるけん
二重結合をもつ炭化水素。
アルコキシ基 あるこきしき
アルコールのOHから水素を引き抜いた形の基。RO-。
アルコール あるこーる
脂肪族炭素鎖に結合したヒドロキシ基(-OH)をもつ化合物。
(R)体 あーるたい
不斉炭素の置換基配置が、順位側で最低順位の置換基の裏側からみたときに、残りの3種の置換基が順位の高いものから右回りに配置する鏡像異性体。
アルデヒド あるでひど
カルボニル基(ケト基)に水素が1個とアルキル基が1個ついた化合物。
アルデヒド基 あるでひどき
-CHO。ホルミル基。
アルド あるど
アルドースの意の接頭辞。
アルドース あるどーす
末端にアルデヒド基をもつ糖。
アルドール反応 あるどーるはんのう
ケトンやアルデヒドが2分子縮合してβ-ヒドロキシケトン(アルデヒド)を生成する反応。aldolはCH3CH(OH)CH2CHOの分子で、アセトアルデヒド(CH3CHO)2分子から生成する。
アルドール縮合 あるどーるしゅくごう
アルドール反応で生成したβ-ヒドロキシケトン(アルデヒド)が引き続き脱水反応で、α,β-不飽和ケトン(アルデヒド)になる場合をさす。
α位 あるふぁい
ある官能基のすぐ隣の位置。近い順にα、β、γ。
αジケトン あるふぁじけとん
α(一番目)+di(2)+ketone(CO)。分子内に2個のケトンを隣接してもつ化合物(ケトンから一番目の位置にもうひとつのケトンがある意)。
α水素 あるふぁすいそ
カルボニル化合物でカルボニル基に結合した炭素上の水素。
[α]D あるふぁでぃー
ナトリウムのD線(589.3nm)で測定した比旋光度。
α,β-不飽和カルボニル あるふぁべーたふほうわかるぼにる
ケトンやアルデヒドなどカルボニル化合物で、カルボニル基と共役したπ結合をもつもの。
アレニウスの酸塩基 あれにうすのさんえんき
スウェーデンの化学者アレニウス(1859-1927)が提唱した酸塩基理論で、水素イオンの供与体を酸、水酸化物イオンの供与体を塩基とする。
アンチ あんち
二つの置換基が反対向きに配向していること(⇔シン)。
アンチ形配座 あんちがたはいざ
ねじれ形配座のうち大きな置換基同士が180度の二面角にある配座。
アンモニア あんもにあ
NH3。窒素上にローンペアをもち、塩基性を示す。
IUPAC命名法 いうぱっくめいめいほう
国際純正および応用化学連合が制定した化合物の系統的命名法
イオン結合 いおんけつごう
陽イオンと陰イオンの静電引力による結合。
イオン反応 いおんはんのう
イオンが関与する反応。2電子ずつの移動による。
イコサ いこさ
20(個)をあらわす接頭語。
イコサン いこさん
炭素20個のアルカン。CH3(CH2)18CH3。エイコサン(eicosane)は旧称。
E-Z異性 いーずぃーいせい
シス−トランス異性に同じ。
いす形配座 いすがたはいざ
シクロヘキサン環がじぐざぐに折れ曲った安定配座。
異性化 いせいか
異性体に変化すること。
異性体 いせいたい
分子式が同じで、原子の結合のしかた、立体配置などが異なる分子。異なる性質を示す。
イソ いそ
「異性体の」という意味の接頭語。
位相異性体 いそういせいたい
分子内の原子の結合順序は同じでありながら、ある部分の空間的相対配置が異なる異性体。直鎖と結び目など。
位相結合 いそうけつごう
原子同士の直接の化学結合によらない結合。鎖のように二つの環がからみあって不可分になっているような状態を結合とみなした用語。
イソシアナート いそしあなーと
イソシアン酸エステル。R-N=C=Oの構造をもち、カーバメート、尿素誘導体の原料となる。
イソブタン いそぶたん
ブタンの異性体。2-メチルプロパン。CH3CH(CH3)2
イソブチル基 いそぶちるき
(CH3)2CHCH2-。
イソプレン いそぷれん
2-メチル-1,3-ブタジエン、CH2=C(CH3)-CH=CH2。テルペン類の基本ユニット。
イソプロピル基 いそぷろぴるき
(CH3)2CH-。
E-体 いーたい
トランス体に同じ。
1,3,5-trichlorobenzene-d3いちさんごとりくろろべんぜんでぃーさん
1,3,5-trichlorobenzeneの重水素置換体。d3は重水素が3個含まれることを示す。NMR測定溶媒は普通重水素化物を使用する。
1,3-ジアキシャル相互作用 いちさんじあきしゃるそうごさよう
いす形配座のシクロヘキサン環で、ある炭素と1つおいた隣の炭素に結合したアキシャル置換基同士の立体的および電子的反発。
位置選択性 いちせんたくせい
反応が分子内の複数個所に起きる可能性がある場合、特定の位置に優先的に起きる性質。
1段階反応 いちだんかいはんのう
1つの遷移状態を経る反応。
1,2-シフト いちにしふと
分子内のある結合が隣の位置に移動すること。
1分子反応 いちぶんしはんのう
反応速度に影響をあたえる分子が1種類のみの反応。
一級 いっきゅう
中心炭素に1個のアルキル基がついた状態。RCH2Xで、Xの種類によって一級ラジカル、一級カルボカチオン、一級アルコール、一級ハロゲン化物などがある。
E2反応 いーつーはんのう
2分子反応で進行する脱離反応。
イミダゾール いみだぞーる
窒素を2個1つおきに含む5員環へテロ芳香族化合物。ヒスチジンの骨格。
E1反応 いーわんはんのう
1分子反応で進行する脱離反応。
陰イオン いんいおん
負電荷をもつイオン。
インドール いんどーる
ベンゼン環にピロール環が縮合した形の二環性ヘテロ芳香族化合物。トリプトファンの骨格の一部。
ウェーラー うぇーらー
ドイツの化学者(1800-1882)。初めて有機化合物(尿素)を合成した。
右旋性 うせんせい
平面偏光を時計回りに回転させる性質。
ウレア うれあ
尿素(H2NCONH2)。
エイコサ えいこさ
イコサの旧称。
エイコサン えいこさん
イコサンの旧称。
HPLC えいちぴーえるしー
高速液体クロマトグラフィー(液クロ)。カラムにつめた担体に高圧ポンプで溶媒を送り、担体と分子の親和性の違いによって物質を分離する方法。
エカトリアル えかとりある
いす形配座のシクロヘキサン環から結合が水平方向にのびていること。
エキソ えきそ
折れ曲がった環や部分構造の外側を向いた配置(⇔エンド)。
エクリプス形配座 えくりぷすがたはいざ
重なり形配座に同じ。
SN2反応 えすえぬつーはんのう
2分子反応で進行する求核置換反応。1段階ですすむ。
SN1反応 えすえぬわんはんのう
1分子反応で進行する求核置換反応。2段階ですすむ。
s軌道 えすきどう
副殻の1種。球状の電子分布をもつ。
(S)体 えすたい
不斉炭素の置換基配置が、順位側で最低順位の置換基の裏側からみたときに、残りの3種の置換基が順位の高いものから左回りに配置する鏡像異性体。
エステル えすてる
酸とアルコールの脱水縮合物。カルボン酸エステルはR-CO2R'の構造をもつ。
sp混成軌道 えすぴーこんせいきどう
s軌道電子1個とp軌道電子1個があわさって、新たな2つのエネルギー的に等しい軌道をつくったもの。直線二方位構造。
sp3混成軌道 えすぴーすりーこんせいきどう
s軌道電子1個とp軌道電子3個があわさって、新たな4つのエネルギー的に等しい軌道をつくったもの。正四面体構造。
sp2混成軌道 えすぴーつーこんせいきどう
s軌道電子1個とp軌道電子2個があわさって、新たな3つのエネルギー的に等しい軌道をつくったもの。平面三方位構造。
枝分れ えだわかれ
アルキル基の炭素鎖が複数方向に分岐していること。分枝。
エタン えたん
炭素2個のアルカン。CH3CH3
エチル基 えちるき
CH3CH2-。
エチレン えちれん
もっとも簡単なアルケン。CH2=CH2
X線結晶解析 えっくすせんけっしょうかいせき
分子構造決定法のひとつ。結晶の中の原子の位置をX線回折によって直接もとめ、構造を導く。
エーテル えーてる
水の水素原子を2個アルキル基で置き換えた型の分子。一般式R-O-R'。狭義にはジエチルエーテル。
エトキシ基 えときしき
エタノールに由来するアルコキシ基。CH3CH2O-。
エナンチオマー えなんちおまー
鏡像異性体に同じ。
エナント酸 えなんとさん
炭素7個の直鎖カルボン酸。ヘプタン酸に相当。CH3(CH2)5CO2H。
nm なのめーとる
10-9 m。
NMR えぬえむあーる
核磁気共鳴(Nuclear Magnetic Resonance)の略。分子を強い磁場の中において中に含まれる原子核の状態を調べる分光学的手法。通常の有機化合物では、水素や炭素の原子核を観測し、その状態を明らかにすることができる。
NOE えぬおーいー
核オーバーハウザー効果(Nuclear Overhauser Effect)の略。NMRスペクトルで空間的に近接した核同士の相互作用によるシグナル強度の変化。立体構造の決定に有用。
エネルギー準位 えねるぎーじゅんい
定常状態のエネルギーの値。
エネルギー障壁 えねるぎーしょうへき
反応の進行にともなって越えなければならない高エネルギー状態。
エノラートアニオン えのらーとあにおん
エノールのヒドロキシ基からH+をひき抜いた形のアニオン。カルボニル化合物のα水素がひき抜かれたアニオンと等価。
エノール えのーる
二重結合炭素にヒドロキシ基が結合した-C=C(OH)-の構造のアルコール。カルボニル型(-CH-CO-)と互変異性関係にある。ene(二重結合)+ol(アルコールを示す語尾)。
エピマー えぴまー
2つ以上のキラル要素をもつ化合物で、1ヶ所だけ立体配置が違っている異性体。
エポキシド えぽきしど
酸素を含む三員環エーテル。オキシラン。
(M)体 えむたい
らせん状のねじれ分子で左ねじ形のキラリティをもつ異性体。
MS えむえす
マススペクトルの略。質量分析法。分子を種々の手法でイオン化し、分子そのものあるいはその断片の質量についての情報を得る。
M殻 えむかく
内側から3番目の電子殻。副殻として3s、3p、3d軌道をもつ。
m/z えむばーずぃー
マススペクトルの横軸の尺度。質量mとイオン価数zの比で表される。通常は価数は1である。
L殻 えるかく
内側から2番目の電子殻。副殻として2s軌道と2p軌道をもつ。
l体 えるたい
平面偏光を反時計回りに回転させる鏡像異性体。
L体 えるたい
(S)-グリセルアルデヒドと対応する置換基配置をもつ鏡像異性体。
塩化水素 えんかすいそ
HCl。代表的なハロゲン化水素。水溶液が塩酸。
塩基 えんき
非共有電子対を与える性質をもつもの。
エンジオール えんじおーる
-C(OH)=C(OH)-の構造。ene(二重結合)+di(2)+ol(アルコールを示す語尾)。
エンド えんど
折れ曲がった環や部分構造の内側を向いた配置(⇔エキソ)。
エンド型(二重結合) えんどがた
環の内部に二重結合がある型(⇔エキソ型)。
円偏光 えんへんこう
進行方向に垂直な面上を円運動する偏光(偏った振動をもつ光)。
オクタ おくた
8(個)をあらわす接頭語。
オクタン おくたん
炭素8個のアルカン。CH3(CH2)6CH3
オゾン おぞん
O3。酸素の同素体のひとつ。
オルト おると
ベンゼン環の隣接した炭素上に2つの置換基がある配置、またその異性体。
オルト、メタ、パラ おるとめたぱら
二置換ベンゼンの異性体の区別名称。2個の置換基が隣接炭素上にあるものをオルト、間に炭素1個おいた配置のをメタ、間に炭素2個おいた配置のをパラという。
オルト・パラ配向性 おるとぱらはいこうせい
置換ベンゼンへの求電子置換反応で、あとからはいる置換基がもとの置換基のオルト位あるいはパラ位にはいりやすいこと。
オレフィン おれふぃん
二重結合をもつ炭化水素。アルケンと同義。
Å おんぐすとろーむ
10-10 m。
開環反応 かいかんはんのう
環状化合物の環が開裂する反応。
開始段階 かいしだんかい
ラジカル反応で、最初にラジカルが生成する段階。
回転障壁 かいてんしょうへき
結合の回転に必要なエネルギーの高さ。
化学種 かがくしゅ
分子、イオン、ラジカルなどの総称。
化学発ガン かがくはつがん
化学物質が原因でガンが発生すること。
可逆反応 かぎゃくはんのう
生成物から出発物へもどる反応が同じに起こり得る反応。
架橋 かきょう
環内の向かい合う二つの炭素間を橋を架けるようにつないだ構造。また二つの構造を第三の要素で橋渡しして結ぶこと。
核 かく
原子核に同じ。
殻 かく
電子殻に同じ。
核酸塩基 かくさんえんき
生物の遺伝情報をになう遺伝子の本体である核酸の成分。塩基は4種類ある。
核磁気共鳴法 かくじききょうめいほう
NMRに同じ。
かさ高い かさだかい
立体的に大きく、かさばっている。
重なり形配座 かさなりがたはいざ
ニューマン投影図で見たときに、手前の炭素と奥の炭素の結合が重なる位置にある配座。
加水分解 かすいぶんかい
ある化合物の結合を一方にH+、他方にOH-が結合するように開裂させる反応。
片鈎矢印 かたかぎやじるし
鈎が片側だけの矢印。電子1個の動きをあらわす。
カチオン かちおん
陽イオン(⇔アニオン)。
活性化エネルギー かっせいかえねるぎー
化学反応で出発物と遷移状態とのエネルギー差。
活性化基 かっせいかき
ベンゼン環に電子を供与して環の反応性を高める置換基。
活性酸素 かっせいさんそ
酸素分子が4電子還元を受けて水になる中間段階の化学種。スーパーオキシド(O2-)、過酸化水素(H2O2)、ヒドロキシルラジカル(・OH)など。
活性メチレン かっせいめちれん
1)カルボニル(CO)に隣接、あるいは2個のカルボニルにはさまれた位置のメチレン(CH2)。カルボニルに電子を求引されているので、H+を放出してカルボアニオン(C-)になりやすく、反応性に富む部位。2)二重結合にはさまれたメチレン。共鳴によってラジカルやカチオンが安定となる部位
カップリング かっぷりんぐ
1)二つの分子をつないで一つの分子にする反応。2)NMRである核と近傍の核が結合をへだてて相互作用し、ピークの分裂がおきること。
カテナン かてなん
鎖のように環状分子が2個以上からみあった分子。
価電子 かでんし
原子のもつ電子のうち、原子の性質や結合形成の鍵となる最も外側の殻の電子。多くはs電子とp電子からなる。
カプリル酸
炭素8個の直鎖カルボン酸。オクタン酸に相当。CH3(CH2)6CO2H。
カプリン酸 かぷりんさん
炭素10個の直鎖カルボン酸。デカン酸に相当。CH3(CH2)8CO2H。
カプロン酸 かぷろんさん
炭素4個の直鎖カルボン酸。ヘキサン酸に相当。CH3(CH2)4CO2H。
亀の甲 かめのこう
ベンゼン環の俗称。
カルベン かるべん
:C(X)Y形の反応中間体。中心炭素は2個の置換基と1個のローンペアをもち6電子状態であるため反応性に富む。
カルボアニオン かるぼあにおん
炭素上の陰イオン。カルバニオン。炭素陰イオン。
カルボカチオン かるぼかちおん
炭素陽イオン。
カルボキシ基 かるぼきしき
-CO2H。
カルボニル基 かるぼにるき
>C=O構造をもつ2価の基。ケト基。
カルボン酸 かるぼんさん
R-CO2Hの構造をもつ酸性化合物。
環化付加 かんかふか
環を形成する付加反応。
還元 かんげん
電子数が増加する化学変化。
環状共鳴構造 かんじょうきょうめいこうぞう
環状分子でπ結合が一つおきに配置し、ひとつながりの共役系となっている構造。電子が環状に非局在化している。
環状電子雲 かんじょうでんしうん
環状にπ電子がつながって、ドーナツ状の雲のように分布している状態。
環状電子反応 かんじょうでんしはんのう
電子環状反応。電子の連続的移動で環を形成する反応。
官能基 かんのうき
化合物の中のある特定の原子団。化合物の性質をきめる。
慣用名 かんようめい
広く慣用的に用いられている化合物名称。
還流 かんりゅう
溶媒が沸点温度で連続的に沸騰している状態。蒸気は冷却器で凝縮させて系にもどされる。
含硫化合物
イオウを含む化合物。
幾何異性 きかいせい
結合の自由回転の障害により発生する立体要因による異性。シス−トランスなど。
希ガス元素 きがすげんそ
周期表の最右列(18属)に位置する一群の気体元素。すべて最外殻電子は閉殻構造をもちきわめて安定である。
ギ酸 ぎさん
炭素1個のカルボン酸。蟻酸。メタン酸に相当。HOCO2H。
擬似不斉 ぎじふせい
不斉炭素の4個の異なる置換基のうちの2個が平面構造は同じで絶対配置のみが異なる一対の置換基であること。
キシレン きしれん
ジメチルベンゼン。3種の異性体がある。
吉草酸 きっそうさん
炭素5個の直鎖カルボン酸。ペンタン酸に相当。CH3(CH2)3CO2H。
基底状態 きていじょうたい
最もエネルギーの低い安定な状態。
軌道 きどう
電子軌道に同じ。
求引 きゅういん
電子をひきつけること。
求核 きゅうかく
電子豊富な化合物あるいはその電気的に陰性な部分の性質。核(原子核=正電荷)に親和性をもつ意。
求核試剤 きゅうかくしざい
求核反応を起こす電子豊富な化学種。
求核置換反応 きゅうかくちかんはんのう
求核的攻撃で開始する置換反応。
求核反応 きゅうかくはんのう
電子豊富(陰性)な化学種が基質の電子不足(陽性)部位を攻撃する反応。
求核付加反応 きゅうかくふかはんのう
求核的攻撃で開始する付加反応。
求電子 きゅうでんし
電子不足な化合物あるいはその電気的に陽性な部分の性質。電子(=負電荷)に親和性をもつ意。
求電子試剤 きゅうでんししざい
求電子反応を起こす電子不足な化学種。
求電子置換反応 きゅうでんしちかんはんのう
求電子的攻撃で開始する置換反応反応。
求電子反応 きゅうでんしはんのう
電子不足(陽性)な化学種が基質の電子豊富(陰性)部位を攻撃する反応。
求電子付加反応 きゅうでんしふかはんのう
求電子的攻撃で開始する付加反応。
吸熱反応 きゅうねつはんのう
出発物のエネルギーより生成物のエネルギーが大きい反応。
キュバン きゅばん
立方体の各頂点に炭素を配置した炭化水素C8H8
鏡像異性 きょうぞういせい
不斉炭素をもつ化合物などで、互いに鏡像関係にある異性体。光学異性ともいう。
鏡像異性体 きょうぞういせいたい
光学異性体。分子内部にねじれの要素がある場合、ある配置の分子とその鏡像関係の配置の分子は重ねあわすことができず、異性体になる。それぞれ平面偏光を逆向きに回転させる性質をもつ。
鏡像体過剰率 きょうぞうたいかじょうりつ
キラル化合物で(+)-体と(-)-体の比率が偏っているとき、多いほうの%から少ない方の%を引いた値。e.e.(enantiomeric excess)。
協奏反応 きょうそうはんのう
連続した電子の移動により結合の形成、切断が複数同時に進行する反応。
橋頭位 きょうとうい
架橋分子で橋架けの根元の位置。
共平面構造 きょうへいめんこうぞう
分子内の二つの平面部分構造が同一平面に位置する構造。
共鳴 きょうめい
原子の配列が同じで電子の位置だけが違う構造を複数とりうる状態。一般に電子の位置の可能性が複数ある、すなわち電子が非局在化すると化合物は安定となる。
共鳴安定化エネルギー きょうめいあんていかえねるぎー
分子が共鳴状態をとりうることによって低下するエネルギー。
共鳴効果 きょうめいこうか
両原子の電気陰性度の差によりπ結合電子が片側に移動し、π結合が完全に分極すること。また、共鳴による分子の安定化効果。
共鳴混成体 きょうめいこんせいたい
共鳴している分子やイオンの実際の電子構造。複数の極限構造の平均化されたもの。
共役 きょうやく
二重結合や三重結合は単結合1本へだてて隣り合う位置関係にあること。
共有結合 きょうゆうけつごう
2原子がそれぞれ電子1個ずつを出し合い、2個の電子をお互いに共有することによって形成される結合。
極限構造 きょくげんこうぞう
共鳴している分子やイオンのある特定の電子配置の構造。実際の電子構造とは違う。
局在化 きょくざいか
分子(イオン)のなかで電子(電荷)が個々の原子上に固定して配置していること。
極性 きょくせい
電気的な分極性。イオン性。
極性結合 きょくせいけつごう
共有結合の結合電子が両原子の電気陰性度の差によって、電気的に陰性な原子側に偏っている状態。
極性転換 きょくせいてんかん
分子の求核的な部分を求電子的に、あるいはその逆に変換すること。
キラリティ きらりてぃ
キラルな性質。
キラル きらる
不斉。右手と左手のように自分自身の鏡像と重ねあわすことのできない物、分子。語源は「掌」の意味。
キラル炭素 きらるたんそ
不斉炭素に同じ。
キラル要素 きらるようそ
分子にキラルな性質を与える要素。不斉炭素、分子自体ののねじれなど。
キレート きれーと
金属イオンなどの陽イオンに酸素などのローンペアが電子を供与して配位結合すること。
クライゼン反応 くらいぜんはんのう
2分子のエステルが結合して、β-オキソエステルを生成する反応。クライゼン縮合。
クラウンエーテル くらうんえーてる
一般に、-CH2CH2O-が連なった王冠状構造の大環状ポリエーテル。環内部に特定の金属イオンを取り込むことができる。
グラファイト ぐらふぁいと
炭素の同素体の一つ。黒鉛、石墨。ベンゼン環の平面的な連なりが積層した構造。
グリセルアルデヒド ぐりせるあるでひど
アルドトリオースの1つ。HOCH2CH(OH)CHO。中心の不斉炭素の立体配置はDL命名法の基準になる。
グリニャール試薬 ぐりにゃーるしやく
フランスの有機化学者グリニャール(1871-1935)がつくった有機マグネシウム試薬。一般式R-Mg-X。
グリニャール反応 ぐりにゃーるはんのう
グリニャール試薬を用いてアルキル基をカルボニル化合物に付加させる反応。
クリプトキラル くりぷときらる
キラルな分子なのに旋光性を示さない性質。
グルタミン酸 ぐるたみんさん
酸性アミノ酸の一つ。HO2C-CH2-CH2-CH(NH2)-CO2H。略号Glu、E。
グルタル酸 ぐるたるさん
炭素5個の直鎖ジカルボン酸。ペンタン二酸に相当。HO2C(CH2)3CO2H。
Curtius転位 くるちうすてんい
カルボン酸(R-CO2H)を酸アジド(R-CON3)からイソシアネート(R-NCO)へ変換する転位反応。
クロマトグラフィー くろまとぐらふぃー
シリカゲルなどの担体への親和性の違いを利用して化合物を分離する方法。
クロモフォア くろもふぉあ
発色団。紫外・可視部(UV/VIS)に吸収をもつ原子団。
系統名 けいとうめい
IUPAC命名法により命名された化合物名。
K殻 けーかく
最も原子核に近い電子殻。副殻として1s軌道のみからなる。
ケクレ けくれ
F.A.Kekule、ドイツの化学者。ベンゼンの構造の解明(1865)で有名。居眠りした夢の中で考えついたとの伝説がある。他にも炭素が4価であることの提唱など構造化学に重要な寄与をした。
ケクレ構造 けくれこうぞう
六角形に3個の二重結合がひとつおきに配置したベンゼンの構造。
結合エネルギー けつごうえねるぎー
結合を切断するのに必要なエネルギー。
結合角 けつごうかく
中心原子から出る2本の結合のなす角度。
結合軌道 けつごうきどう
分子軌道のうち電子が2個はいることによって結合が強まる軌道。(⇔反結合軌道)
結合電子 けつごうでんし
共有結合をつくっている電子対。
ケト けと
ケト基をもつ意の接頭辞。糖の場合はケトースをあらわす。
ケト−エノール異性 けとえのーるいせい
ケト形とエノール形の異性関係。代表的な互変異性。
ケト形 けとがた
α水素をもつカルボニル化合物で-CH2-CO-の形。
ケト基 けとき
カルボニル基に同じ。
ケトース けとーす
ケト基をもつ糖。
ケトン けとん
カルボニル基(ケト基)の両側にアルキル基がついた化合物。
原子 げんし
物質を構成する最小単位(実際はさらに素粒子にわけられる)。
原子核 げんしかく
原子の中心部にあり、陽子と中性子からなる。正電荷をもつ。
原子価電子 げんしかでんし
価電子に同じ。
原子団 げんしだん
複数の原子からなる分子内の構造単位。
原子番号 げんしばんごう
原子のもつ陽子の数。
光学異性 こうがくいせい
物理、化学的性質が等しく、平面偏光を回転させる向きのみが異なる異性体。鏡像異性に同じ。
光学活性 こうがくかっせい
振動面のそろった平面偏光を回転させる性質。キラルな性質とほぼ同等。
光学純度 こうがくじゅんど
鏡像体過剰率。
光学不活性 こうがくふかっせい
旋光性を示さないこと。アキラルな分子やキラル分子でもラセミ体あるいはメソ体など。
光学分割 こうがくぶんかつ
光学異性体のそれぞれをなんらかの手段で分離すること。
光合成 こうごうせい
クロロフィルをもつ植物や細菌の二酸化炭素固定による糖合成反応。同時に水の酸化により酸素が生じる。
交差アルドール反応 こうさあるどーるはんのう
異なる2分子間のアルドール反応。
抗酸化性 こうさんかせい
生体内で活性酸素を還元的に消去する性質。
高磁場 こうじば
NMRスペクトル図の右方向。
酵素 こうそ
生体内の化学反応を触媒するタンパク質。
構造異性体 こうぞういせいたい
異性体のうち、原子の平面的配列が異なる異性体。
ゴーシュ形配座 ごーしゅがたはいざ
ねじれ形配座のうち大きな置換基同士が60度の二面角にある配座。
コハク酸 こはくさん
炭素4個の直鎖ジカルボン酸。ブタン二酸に相当。HO2C(CH2)2CO2H。
Cope転位 こーぷてんい
シグマトロピー反応の一つ。1,5-シクロヘキサジエンの1,6間の結合形成と3,4間の結合切断が、二重結合位置の移動を伴い六員環遷移状態を経て同時に起こる反応。
コプラナー こぷらなー
共平面構造の。
互変異性 ごへんいせい
互いに容易に相互変換しうる異性関係。
孤立電子対 こりつでんしつい
ローンペアに同じ。
孤立二重結合 こりつにじゅうけつごう
共役していない独立した二重結合。
コレステロール これすてろーる
6/6/6/5員環からなる4環性のC27アルコール。膜脂質成分、ホルモン前駆体等として重要な生体成分。
混成軌道 こんせいきどう
s軌道電子とp軌道電子があわさってできた、等しいエネルギーをもつ新たな軌道。加わるp軌道電子の数によって、sp3、sp2、spの3種類がある。
コンホーマー こんほーまー
配座異性体。結合の自由回転などによって分子のねじれ方や部分配置が変化して生じる異性体。一般には結合の切断を伴わないで相互変換できる。
コンホメーション こんほめーしょん
配座。
最外殻電子 さいがいかくでんし
原子のもつ電子のうち、最も外側の殻の電子。
ザイツェフ則 ざいつぇふそく
脱離反応でアルケンが生成するとき、最も置換基を多くもつアルケンが生成するという規則。
酢酸 さくさん
炭素2個のカルボン酸。エタン酸に相当。CH3CO2H。
錯体 さくたい
金属イオンに酸素や窒素がローンペアを供与して配位結合した分子。
左旋性 させんせい
平面偏光を反時計回りに回転させる性質。
酸 さん
非共有電子対を受け取る性質をもつもの。
酸アジド さんあじど
アシルアジド(R-CON3)。カルボキシ基の-OHをアジド(-N=N+=N-)で置換したアシル誘導体。
酸塩基理論 さんえんきりろん
酸塩基の定義。アレニウス、ブレンステッド−ローリー、ルイスなどによる。
酸化 さんか
電子数が減少する化学変化。
3回対称 さんかいたいしょう
1回転の間に3回同じ構造をとる対称性。
三級 さんきゅう
中心炭素に3個のアルキル基がついた状態。RR'R"C(X)で、Xの種類によって三級ラジカル、三級カルボカチオン、三級アルコール、三級ハロゲン化物などがある。
酸クロリド さんくろりど
酸塩化物。カルボン酸のOHをClで置き換えたRCOClの一般式をもつ。化学的に活性で、アシル基(RCO-)を他の分子に導入するのに用いられる。
三重結合 さんじゅうけつごう
アセチレンの炭素間のように原子間が3本の共有結合で結ばれているもの。電子6個でつくられる。σ結合1本、π結合2本からなる。
三重線 さんじゅうせん
NMRでカップリングによってピークが等間隔の3本に分裂したもの。記号t(triplet)。
3中心2電子結合 さんちゅうしんにでんしけつごう
電子2個で3個の原子を結びつける結合。ボランにみられる。
三フッ化ホウ素 さんふっかほうそ
BF3。ホウ素の最外殻は6電子状態であり、ルイス酸の性質をもつ。
ジ じ
2(個)をあらわす接頭語。
ジアステレオマー じあすてれおまー
2つ以上のキラル要素をもつ化合物で、お互いに鏡像関係にない異性体。
ジアゾ基 じあぞき
2価の基、=N2
ジアゾニウムイオン じあぞにうむいおん
R-N3+。対応するアミンと亜硝酸から容易に合成できる。特に芳香族ジアゾニウム塩は多彩な官能基への変換源として有用。
シアノ基 しあのき
-CN。
J値 じぇーち
NMRでのカップリングによるピークの分裂幅。
ジエン じえん
二重結合を2個もつ分子。
ジオース じおーす
炭素2個の糖。
紫外線 しがいせん
可視光より波長が短い部分の電磁波。高いエネルギーをもつ。
軸不斉 じくふせい
分子不斉のひとつ。分子内のある軸に対するねじれ方が右ねじれと左ねじれの関係で発生する鏡像異性関係。らせんやネジに相当。
σ結合 しぐまけつごう
通常の共有結合。両原子のs軌道電子あるいは混成軌道電子同士でできる。
σ電子 しぐまでんし
σ結合をつくっている結合電子。
シグマトロピー転位 しぐまとろぴーてんい
σ結合がπ電子の移動と同時に奇数番目の位置に転位する反応。
シクロアルカン しくろあるかん
環状構造の飽和炭化水素。
シクロオレフィン しくろおれふぃん
環状構造のオレフィン(=シクロアルケン)。
シクロブタジエン しくろぶたじえん
四角形に二重結合を2個いれた環状炭化水素、C4H4。[4]アヌレンに相当する。反芳香族性をもち不安定。
シクロブタン しくろぶたん
メチレン4個からなる四角形の炭化水素。
シクロプロパン しくろぷろぱん
メチレン3個からなる三角形の炭化水素。cyclo(環状)+prop(炭素数3)+ane(炭化水素を示す語尾)。
シクロヘキサン しくろへきさん
メチレン6個が環状に連なった炭化水素。分子は平面ではなく、立体的にジグザグな形をとっている。
シクロペンタン しくろぺんたん
メチレン5個からなる五角形の炭化水素。
ジクロロカルベン じくろろかるべん
クロロホルムから塩基で塩化水素を引き抜いて得られる「:CCl2」の分子種。二重結合に付加して三員環をつくりやすい。
四重極緩和 しじゅうきょくかんわ
四重極核(核スピン>=1の核)による緩和(励起核の熱平衡状態への回復)。
四重線 しじゅうせん
NMRでカップリングによってピークが等間隔の4本に分裂したもの。記号q(quartet)。
シス しす
二重結合や環平面などに対して同じ側に二つの置換基が配置すること。(⇔トランス)
シス体 しすたい
二重結合や環に対して2つの置換基が同じ側にある異性体。Z体。
シス−トランス異性 しすとらんすいせい
二重結合や環内の単結合が自由回転できないために起きる立体的な異性体関係。
ジチアン じちあん
6員環にイオウ原子が2個はいった環状化合物。接頭数字で置換位置を表す。
C2対称 しーつーたいしょう
対称要素として2回対称軸1本のみをもつ対称性。
質量数 しつりょうすう
原子のもつ陽子数と中性子数の和。
CDスペクトル しーでぃーすぺくとる
円偏光二色性(circular dichroism)。旋光性の一種。左右の円偏光に対する吸収係数の差を連続的に波長を変えて測定する。
ジテルペン じてるぺん
イソプレンユニット4個からなるC20のテルペン。
脂肪酸 しぼうさん
脂肪の構成要素となっている長鎖のカルボン酸。
脂肪族化合物 しぼうぞくかごうぶつ
sp3炭素のつながりからなる鎖状構造を基本とする化合物群。
ジホスゲン じほすげん
クロロギ酸トリクロロメチル(ClCO2CCl3)。ホスゲンの二量体に相当する。
ジボラン じぼらん
ボランの一つ。B2H6。水素によって橋架けした3中心2電子結合をもつ。
Simmons-Smith反応 しもんずすみすはんのう
ヨウ化メチレンと亜鉛-銅によってアルケンにメチレンを付加してシクロプロパン環をつくる反応。
Sharpless法 しゃーぷれすほう
酒石酸エステルを不斉触媒とするアリルアルコールの二重結合の不斉エポキシ化反応。種々のバリエーションがある。
遮蔽 しゃへい
NMR測定時において、観測している原子核の周囲の分子構造によって外部磁場を弱めるように局所磁場が生じること。見かけの磁場が弱まるため、観測シグナルは低周波数側(高磁場側)すなわち、スペクトル図の右方向にシフトする。
周期表 しゅうきひょう
原子を原子番号順に並べ、周期的にあらわれる性質の類似した原子が縦にならぶように配列した表。
重合 じゅうごう
ある低分子ユニットが多数連なって高分子物質になること。
集合フェロモン しゅうごうふぇろもん
同一種の他の個体を呼び寄せる活性をもつフェロモン。
シュウ酸 しゅうさん
炭素2個のジカルボン酸。蓚酸。エタン二酸に相当。HO2CCO2H。
終止段階 しゅうしだんかい
ラジカル反応で、2つのラジカル同士が結合してラジカルが消去される段階。
収率 しゅうりつ
出発物質が生成物に変換された割合。
主殻 しゅかく
電子殻をエネルギーの大きさによって何段階かにわけたときの大きな区分。原子核に近い方(エネルギーは小さい)から、K,L,M,N,...と名づける。
縮環 しゅくかん
1)二つの環が一辺を共有して結合している状態。2)環の大きさを小さくすること。その反応。
縮合 しゅくごう
水など簡単な分子が脱離して2分子が結合する反応。
主鎖 しゅさ
鎖状化合物の炭素骨格のうち幹になる鎖。多くは炭素数が最大になるようにとる。
昇位 しょうい
ある軌道の電子がよりエネルギー準位の高い軌道に移ること。
小員環 しょういんかん
三、四員環などサイズの小さな環。
昇華 しょうか
固体から気体あるいはその逆の相変化。
触媒 しょくばい
自分自身は変化せずに反応の経路を変化させる物質。
触媒量 しょくばいりょう
反応物の量に比べてはるかに少ない量。
親和性 しんわせい
引きつけあう性質。なじみやすい性質。
水素化物イオン すいそかぶついおん
H-。水素原子に電子1個が付加し、ヘリウムと同等の閉殻構造になった陰イオン。
水素結合 すいそけつごう
電気的に陰性な原子に結合した水素(δ+)と別の分子の陰性原子(δ-)との静電引力による弱い分子間結合。
Z-体 ずぃーたい
シス体に同じ。
水和 すいわ
水分子の付加。
スキュー配座 すきゅーはいざ
ねじれ形配座の一つ。
スクリーニング すくりーにんぐ
多種の化合物や動植物抽出物の中から有用な生理活性を示す化合物を探すこと。
ステアリン酸 すてありんさん
炭素18個の直鎖カルボン酸。オクタデカン酸に相当。CH3(CH2)16CO2H。
スピロ すぴろ
二つの環が炭素1個を共有してつながった状態。
スペクトル すぺくとる
NMR、IR、UV-VISなどの分光分析の値。物質の構造決定、同定に用いる。
スベリン酸 すべりんさん
炭素8個の直鎖ジカルボン酸。オクタン二酸に相当。HO2C(CH2)6CO2H。
スルホ基 するほき
-SO3H。
スルホン化 するほんか
ベンゼン環に発煙硫酸でスルホ基(-SO3H)を導入する求電子置換反応。。
正四面体構造 せいしめんたいこうぞう
sp3炭素の空間配置。中心に炭素があり、各頂点方向に結合がのびている。
生合成 せいごうせい
生物による合成。
生成熱 せいせいねつ
分子が構成原子からつくられると仮定したときの反応熱。小さいものほど安定。
生体分子 せいたいぶんし
生体を構成している成分。
成長段階 せいちょうだんかい
伝搬段階に同じ。
静電引力 せいでんいんりょく
異符号の電荷同士のクーロン力による引力。
静電反発 せいでんはんぱつ
同符号の電荷同士のクーロン力による反発。
性フェロモン せいふぇろもん
同一種の交尾相手を呼び寄せる活性をもつフェロモン。
赤外線 せきがいせん
可視光より波長が長い部分の電磁波。
積算 せきさん
NMR測定は感度の低い手法なので、複数回スキャンしたシグナルを加算して最終スペクトルを得ること。
sec-ブチル基 せかんだりーぶちるき
CH3CH2CH(CH3)-。
セスキテルペン せすきてるぺん
イソプレンユニット3個からなるC15のテルペン。
セスタテルペン せすたてるぺん
イソプレンユニット5個からなるC25のテルペン。
接触還元 せっしょくかんげん
水素添加。二重結合などに主として金属触媒を用いて水素を付加させ、飽和炭化水素に還元すること。
絶対配置 ぜったいはいち
不斉中心の周りの置換基の配置。
絶対不斉合成 ぜったいふせいごうせい
キラルな化学物質の助けを借りないでアキラルな分子からキラルな分子をつくること。
セバシン酸 せばしんさん
炭素10個の直鎖ジカルボン酸。デカン二酸に相当。HO2C(CH2)8CO2H。
セリン せりん
アミノ酸の1つ。HOCH2CH(NH2)CO2H。
セロチン酸 せろちんさん
炭素26個の直鎖カルボン酸。ヘキサコサン酸に相当。CH3(CH2)24CO2H。
遷移状態 せんいじょうたい
化学反応で出発物が生成物に変化するときに経る過渡的な高エネルギー状態。
前駆体 ぜんくたい
化学反応で目的物質へ導くことのできる物質。
旋光性 せんこうせい
平面偏光を回転させる性質。
旋光度 せんこうど
光学活性な物質が平面偏光を回転させるときの回転角。分子に固有の値。
選択性 せんたくせい
ある反応によって複数の生成物が生成可能なとき、特定の生成物が優先的に生成する性質。
相対配置 そうたいはいち
複数の不斉中心をもつ分子のある炭素の立体配置と他の炭素の立体配置の相対関係。
増炭 ぞうたん
炭素鎖を延長させること。
側鎖 そくさ
鎖状化合物の主鎖から枝分れしている炭素鎖。
速度論支配 そくどろんしはい
複数の反応が競合して起きるとき、活性化エネルギーの小さい反応が優先して起きること。
ソルボリシス そるぼりしす
加溶媒分解反応。水、アルコールなどの極性溶媒が分子を攻撃して、置換反応を起こすこと。
対称アルケン たいしょうあるけん
π結合の両側の炭素に結合した置換基が同じアルケン。
対称軸 たいしょうじく
分子を内部を通る軸を中心に回転させたときに1回転にn回同じ構造があらわれるとき、その軸(n回対称軸)。
対掌体 たいしょうたい
鏡像異性体。
ダイヤモンド だいやもんど
炭素の同素体の一つ。sp3炭素が共有結合で立体的につながったきわめて安定で丈夫な構造をもつ。
多価アルコール たかあるこーる
分子内に2個以上の水酸基をもつアルコール。
多価イオン たかいおん
マススペクトルで複数の電子の脱離あるいは付加によって二価以上のイオンになったもの。実際の質量を価数で割った位置にピークを与える。
多核芳香族環 たかくほうこうぞくかん
ベンゼン環が平面にたくさん縮環した分子。
多環式炭化水素 たかんしきたんかすいそ
分子内に環構造を複数もつ炭化水素。
多重結合 たじゅうけつごう
二重結合、三重結合など。原子間を結びつける複数の結合。
脱遮蔽 だつしゃへい
NMR測定時において、観測している原子核の周囲の分子構造によって外部磁場を強めるように局所磁場が生じること。見かけの磁場が強まるため、観測シグナルは高周波数側(低磁場側)すなわち、スペクトル図の左方向にシフトする。
脱炭酸 だつたんさん
カルボン酸から二酸化炭素を脱離させる反応。R-CO2H → R-H + CO2
脱保護 だつほご
保護基をはずすこと。
脱離反応 だつりはんのう
分子の隣接する原子からふたつの置換基がはずれて不飽和結合が生成する反応。
単一線 たんいつせん
NMRでカップリングによる分裂がないピーク。記号s(singlet)。
単結合 たんけつごう
二重結合、三重結合以外の通常の共有結合。σ結合からなる。
炭素陽イオン たんそよういおん
カルボカチオンに同じ。
単体 たんたい
単一元素からなる物質。
タンパク質 たんぱくしつ
アミノ酸が多数重合してできた高分子化合物。生体を構成する重要成分。
チアゾール ちあぞーる
窒素とイオウを1つおきに含む5員環へテロ芳香族化合物。チアミンの骨格。
チアミン ちあみん
ビタミンB1。二リン酸エステルはコカルボキシラーゼとして酸化的脱炭酸酵素の補酵素になる。
チオフェン ちおふぇん
イオウと炭素4個からなる5員環に二重結合を2個もつ、ヘテロ芳香族化合物のひとつ。
置換 ちかん
化合物中のある原子(団)を他の原子(団)で置き換えること。
置換基 ちかんき
化合物中のある原子(団)を他の原子(団)で置き換えたとき、その置き換えた部分。
置換反応 ちかんはんのう
分子の一部が他の原子(団)で置き換わる反応。
中間体 ちゅうかんたい
1)2段階反応で、2つの遷移状態の間のエネルギー極小状態の化学種。2)多段階を要する合成で中間に経る化合物。合成中間体。
中性子 ちゅうせいし
原子核を構成する粒子。電荷はもたない。
超共役 ちょうきょうやく
σ結合電子の供与によるラジカルやカチオンの安定化。
直鎖 ちょくさ
直線状で枝分れのない炭素鎖。
通算収率 つうさんしゅうりつ
複数の段階からなる化学合成で、出発物質の物質量と最終生成物の物質量から計算した反応収率。全収率。
t てぃー
三級(tertiary)の意味の接頭略号。t-ブチル基など。
dl体 でぃーえるたい
ラセミ体に同じ。
低磁場 ていじば
NMRスペクトル図の左方向。
d体 でぃーたい
平面偏光を時計回りに回転させる鏡像異性体。
D体 でぃーたい
(R)-グリセルアルデヒドと対応する置換基配置をもつ鏡像異性体。
t-ブチル基 てぃー(たーしゃりー)ぶちるき
三級ブチル基。(CH3)3C-。
定量的 ていりょうてき
反応がほぼ100%の変換効率で進むこと。
Diels-Alder付加 でぃーるすあるだーふか
4+2型付加環化反応。ブタジエンのようなジエンとエチレンのようなジエノフィル(親ジエン、ジエンと容易に反応する意)、が付加環化してシクロヘキセン環を一気に生成する反応。
デカ でか
10(個)をあらわす接頭語。
デカン でかん
炭素10個のアルカン。CH3(CH2)8CH3
デカップリング でかっぷりんぐ
NMRでカップリングしている相手の核を強いエネルギーで照射してその影響を消し、ピークの分裂をなくすこと。
テスラ てすら
磁場強度の単位。1テスラ(T)は1万ガウス。
テトラ てとら
4(個)をあらわす接頭語。
テトラキス てとらきす
4(個)をあらわす接頭語。テトラより大きいくくりで用いる。
テトラケトン てとらけとん
tetra(4)+ketone(CO)。分子内に4個のケトン(カルボニル基)をもつ化合物。
テトラコンタン てとらこんたん
炭素40個のアルカン。CH3(CH2)38CH3
テトラテルペン てとらてるぺん
イソプレンユニット8個からなるC40のテルペン。生合成的にはC20のジテルペンユニットが2個逆向きに結合した骨格をもつ。
テトラヒドロフラン てとらひどろふらん
シクロペンタンのメチレンを1個酸素で置き換えた形の環状エーテル。
テトラヘドラル てとらへどらる
正四面体の。
テトラヘドラン てとらへどらん
正四面体の頂点に炭素を配置した形のC4H4の炭化水素。非常にひずみが大きく不安定。
テトロース てとろーす
炭素4個の糖。四炭糖。
Dewarベンゼン でゅわーべんぜん
ベンゼンの異性体構造の一つ。シクロブタン環が2個縮環し、向かい合う外側の2辺に二重結合をいれた形。
δ値 でるたち
NMRスペクトルの横軸の尺度。外部磁場の強さに対する割合をppm単位であらわす。水素や炭素のNMRの場合はテトラメチルシランのメチル基のシグナルを0ppmとおく。
δ+ でるたぷらす
中性分子の結合が誘起効果によって分極して生じる正の部分電荷。
δ- でるたまいなす
中性分子の結合が誘起効果によって分極して生じる負の部分電荷。
テルペン てるぺん
イソプレンユニットの連なりからなる一群の化合物。
転位 てんい
分子内のある結合が別の位置に移動すること。
電気陰性度 でんきいんせいど
原子が結合電子を引きつける性質。大きいほど電気的に陰性である。
電気的要因 でんきてきよういん
分子の反応性に影響を及ぼす要因の一つ。反応点の電子密度が高いか低いかで反応性に差がでること。
電子 でんし
原子を構成している粒子のひとつ。負電荷をもち原子核の周囲をとりかこんでいる。
電子殻 でんしかく
電子軌道にほぼ同じ。原子核を球状におおっているのでこの名がある。
電子軌道 でんしきどう
電子が原子核の周囲に存在する確率分布。いくつか種類があり、それぞれある一定の範囲をもつ。最小単位の軌道は電子を2個収容できる。
電子求引性 でんしきゅういんせい
電気的に陰性な原子が誘起効果や共鳴効果で電子を引きつける性質。
電子供与性 でんしきょうよせい
ローンペアをもつヘテロ原子(共鳴効果)やアルキル基(超共役効果)が電子を押し出す性質。
電子構造 でんしこうぞう
電子配置に同じ。
電子対 でんしつい
電子2個の対。電子軌道の最小単位は電子2個からなり、電子が2個ずつペアで移動することが多い。
電子配置 でんしはいち
原子のもつ電子がどの種類の殻(軌道)に何個ずつ収容(配置)されているか。
電子密度 でんしみつど
分子のある原子上の電子の存在確率。
天然存在比 てんねんそんざいひ
元素の安定同位体の自然界における存在比率。
天然物 てんねんぶつ
天然有機化合物。生物由来の化合物。
伝搬段階 でんぱんだんかい
ラジカル反応で、供給されたラジカルが反応後に再生され、連続して反応が進行する段階。成長段階。
糖 とう
アルデヒド基あるいはケト基をもつ多価アルコール。
糖アルコール とうあるこーる
糖のアルデヒド基あるいはケト基を還元して得られる多価アルコール。
同位体 どういたい
陽子数が同じで中性子数の異なる原子。
等価 とうか
おなじものあるいはまったく同等にはたらくもの。
等価体 とうかたい
合成化学上ある官能基が他の官能基に容易に変換可能であり代替物となりうること。その物。
同族体 どうぞくたい
同じ官能基をもつ化合物群で炭素数の違うもの。
同素体 どうそたい
元素の単体で、原子配列が異なるために異なる外観、性質を示すもの。
同定 どうてい
未知の化合物を既知化合物と同じことを確かめること。
等電子的 とうでんしてき
電子配置が等しいこと。
等モル とうもる
モル比で1:1。
トラップ とらっぷ
揮発性物質、不安定な物質などを、他の分子と反応させて安定な形に変えること。
トランス とらんす
二重結合や環平面などに対して反対側に二つの置換基が配置すること。(⇔シス)
トランス体 とらんすたい
二重結合や環に対して2つの置換基が反対側にある異性体。E体。
トリ とり
3(個)をあらわす接頭語。
トリアコンタン とりあこんたん
炭素30個のアルカン。CH3(CH2)28CH3
トリアジン とりあじん
ベンゼンの炭素を3個窒素で置き換えたヘテロ芳香族分子。普通は1個おきに窒素がはいったものをさす
トリオース とりおーす
炭素3個の糖。三炭糖。
トリス とりす
3(個)をあらわす接頭語。トリより大きいくくりで用いる。
トリテルペン とりてるぺん
イソプレンユニット6個からなるC30のテルペン。生合成的にはC15のセスキテルペンユニットが2個逆向きに結合した骨格をもつ。
トリプトファン とりぷとふぁん
インドール環をもつアミノ酸の1つ。略号Trp、W。
トリホスゲン とりほすげん
炭酸ビストリクロロメチル((CCl3O)2CO)。ホスゲンの三量体に相当する。
torr とる
圧力の単位。mmHgに等しい。1 torr = 133.322 Pa。
ナフタレン なふたれん
ベンゼン環2個が一辺を共有して縮合した炭化水素。
二級 にきゅう
中心炭素に2個のアルキル基がついた状態。RR'CH(X)で、Xの種類によって二級ラジカル、二級カルボカチオン、二級アルコール、二級ハロゲン化物などがある。
二重結合 にじゅうけつごう
エチレンの炭素間のように原子間が2本の共有結合で結ばれているもの。電子4個でつくられる。σ結合、π結合各1本からなる。
二重線 にじゅうせん
NMRでカップリングによってピークが等間隔の2本に分裂したもの。記号d(doublet)。
2段階反応 にだんかいはんのう
2つの遷移状態を経る反応。2つの反応が連続して起きるとみなされる。
ニトロ化 にとろか
ベンゼン環の水素をニトロ基で置換すること。通常、混酸(硝酸と硫酸の混合物)を用いる。
ニトロ基 にとろき
-NO2
2+2付加 にぷらすにふか
2個の二重結合が向かい合わせに環化してシクロブタン環をつくる反応。通常は光反応。
2分子反応 にぶんしはんのう
反応速度に影響をあたえる分子が2種類ある反応。
二面角 にめんかく
ある結合の両側の原子からそれぞれ外側に出ている結合同士の角度。
ニューマン投影図 にゅーまんとうえいず
2つの炭素間の結合に円板をおいて結合軸方向から投影した図。手前の炭素の結合と奥の炭素の結合のねじれ関係が見やすい。
尿素 にょうそ
(NH2)2CO。炭酸のアミド。
ネオペンタン ねおぺんたん
ペンタンの異性体の一つ。テトラメチルメタン、C(CH3)4
ネオペンチル基 ねおぺんちるき
(CH3)3CCH2-。立体的にかさ高いアルキル基の代表。
ねじれ形配座 ねじれがたはいざ
ニューマン投影図で見たときに、手前の炭素と奥の炭素の結合がずれて配置した配座。
ねじれ舟形配座 ねじれふながたはいざ
シクロヘキサン環の舟形配座で向かい合う炭素が互いの干渉を避けるようにねじれて配置した準安定配座。ツイストボート形
熱力学支配 ねつりきがくしはい
複数の反応が競合して起きるとき、出発物から生成物へのエネルギー減少が大きい反応が優先して起きること。平衡支配。
ノナ のな
9(個)をあらわす接頭語。
ノナン のなん
炭素9個のアルカン。CH3(CH2)7CH3
ノル のる
nor-。炭素が一つ少ない意味の接頭語。
配位 はいい
分子間で電子豊富(塩基性)部位と電子不足(酸性)部位が結合をつくること。
配位結合 はいいけつごう
ある原子が電子対を他の原子に与えてつくる結合。
配位子 はいいし
金属イオンなどのイオン性化学種に配位している分子。リガンド。
π結合 ぱいけつごう
二重結合を形成する2本目の結合。p軌道電子2個が平行に配置して重なり合ってできる。他の反応試剤によって結合電子が攻撃されやすく、反応性が高い。
配向性 はいこうせい
反応で置換基のはいる位置などに複数の可能性がある場合の反応の方向性。
配座 はいざ
分子内の結合を回転させたとき、ある特定の角度の分子構造。
配座異性 はいざいせい
分子内の結合の回転によって相互変換しうる異性関係。
π電子 ぱいでんし
π結合を形成している電子。
配糖体 はいとうたい
アルコール、フェノールの水酸基などと糖のヘミアセタール性水酸基との間がエーテル結合で結合した分子。
バイルシュタイン ばいるしゅたいん
F. K. Beilstein(1838-1906)が創始した世界的な有機化合物辞典。
パスツール ぱすつーる
フランスの科学者(1822-1895)。分子不斉の発見ほか多方面の業績がある。
8電子状態 はちでんしじょうたい
オクテット構造。最外殻電子軌道のうちs軌道とp軌道に計8個の電子がはいり、すべて満たされた状態。
発熱反応 はつねつはんのう
出発物のエネルギーより生成物のエネルギーが小さい反応。
パラ ぱら
ベンゼン環の向かい合う炭素上に2つの置換基がある配置、またその異性体。
パルミチン酸 ぱるみちんさん
炭素16個の直鎖カルボン酸。ヘキサデカン酸に相当。CH3(CH2)14CO2H。
ハロアルカン はろあるかん
アルカンの水素をハロゲンで置換した化合物。ハロゲン化アルキル。
ハロゲン はろげん
周期表17族の原子(フッ素、塩素、臭素、ヨウ素)。最外殻に7個の電子をもち、1価の陰イオンになりやすい。
ハロゲン化 はろげんか
ある化合物の水素をハロゲンで置換する反応。
ハロゲン化アルキル はろげんかあるきる
ハロアルカンに同じ。
ハロゲン化物イオン はろげんかぶついおん
ハロゲン原子が電子1個を受け取ってできる1価の陰イオン。
ハロニウムカチオン はろにうむかちおん
ハロゲン化物のハロゲン原子がローンペアを供与して配位結合つくってできたカチオン。窒素におけるアンモニウムイオンに対応する。
反転 はんてん
1)いす形配座のシクロヘキサン環がC-C結合の連続したねじれによって逆向きにひっくりかえること。2)SN2反応でsp3炭素の置換基が逆向きになること。
反芳香族性 はんほうこうぞくせい
環状に共役した不飽和結合をもつ分子で、共鳴によって不安定になる性質。
pm ぴこめーとる
10-12 m。
光異性化 ひかりいせいか
光化学反応、すなわち光エネルギーでシス⇔トランスなど分子を異性化すること。
p軌道 ぴーきどう
副殻の1種。3種類あり、x,y,zの各軸方向を向いた亜鈴形の電子分布をもつ。
非共有電子対 ひきょうゆうでんしつい
ローンペアに同じ。
非局在化 ひきょくざいか
特に電子が偏りがなく分子内の複数の原子にまたがって分散すること。安定化要因。
pKa ぴーけーえー
酸の解離度。数値が小さいほど強い酸。
非結合距離 ひけつごうきょり
分子内の直接結合していない原子間の距離。
非結合電子対 ひけつごうでんしつい
ローンペアに同じ。
ビシクロ びしくろ
二環性。
ビス びす
bis-。2をあらわす接頭語。di-より大きなくくりで用いられる。
ヒスチジン ひすちじん
イミダゾール環をもつ塩基性アミノ酸の1つ。略号His、H。
ひずみエネルギー ひずみえねるぎー
分子内の結合のゆがみによって生じるエネルギー。大きいほど分子は不安定になる。
(P)体 ぴーたい
らせん状のねじれ分子で右ねじ形のキラリティをもつ異性体。
非対称アルケン ひたいしょうあるけん
π結合の両側の炭素に結合した置換基が異なるアルケン。
ヒドロキシ基 ひどろきしき
-OH。水酸基。
ヒドロキシメチル基 ひどろきしめちるき
HOCH2-。
ヒドロペルオキシド ひどろぺるおきしど
過酸化水素化物。-OOH基をもつ。
ビニル基 びにるき
CH2=CH-。
非ベンゼン系芳香族化合物 ひべんぜんけいほうこうぞくかごうぶつ
ベンゼン環をもたない芳香族化合物。普通は六員環、五員環のヘテロ芳香族化合物は除く。
ピメリン酸 ぴめりんさん
炭素7個の直鎖ジカルボン酸。ヘプタン二酸に相当。HO2C(CH2)5CO2H。
ピロール ぴろーる
窒素と炭素4個からなる5員環に二重結合を2個もつ、ヘテロ芳香族化合物のひとつ。
ヒュッケル則 ひゅっけるそく
平面環状にひとつながりになったπ電子数が 4n+2 個であらわされる場合、分子は共鳴により安定化するという法則。
ビラジカル びらじかる
不対電子を2個もつ分子。結合が均等に開裂すると両側の原子に不対電子が生じる。
ピラノース ぴらのーす
六員環状ヘミアセタール構造をもつ糖。名称は酸素を1個含む六員環分子ピランに由来。
ピリジン ぴりじん
ベンゼンの炭素を1個窒素で置き換えたヘテロ芳香族分子。
ピリミジン ぴりみじん
ベンゼンの炭素を1つおきに2個窒素で置き換えたヘテロ芳香族分子。核酸塩基の基本骨格の1つ。
Favorskii転位 ふぁぼるすきいてんい
αハロケトンの塩基触媒によるカルボン酸への転位反応。
フィッシャー投影図 ふぃっしゃーとうえいず
不斉炭素回りの立体配置の表示法。不斉炭素を中心に置換基を十字に配置し、横方向の結合が手前、縦方向の結合が向こう側に向いているとみなす。
封筒形配座 ふうとうがたはいざ
シクロペンタン環の折れ曲った配座。フタの持ち上がった洋封筒の形。
フェナントレン ふぇなんとれん
ナフタレンにさらに1個ベンゼン環が縮環し、3個のベンゼン環がくの字型に並んだ炭化水素。
フェニル ふぇにる
ベンゼンから水素1個をとった置換基、C6H5-。
フェネチル ふぇねちる
フェニルエチル。α(C6H5-CH(CH3)-)、β(C6H5-CH2-CH2-)がある。
フェノール ふぇのーる
芳香族炭素環に結合したヒドロキシ基(-OH)をもつ化合物。
フェロセン ふぇろせん
2個のシクロペンタジエニルアニオンで鉄(II)イオンをサンドイッチした構造のイオン性分子。
フェロモン ふぇろもん
同一種の他の個体の行動に影響を与える化学物質。交尾相手を呼び寄せる活性をもつ昆虫の性フェロモンなど。
フェン系 ふぇんけい
ベンゼン環が3個以上縮環した多核芳香族炭化水素で、ジグザグな形状の系列。
付加 ふか
他の成分の脱離をともなわないで、二つの分子種が結合して新たな分子種をつくること。
不活性化基 ふかっせいかき
ベンゼン環から電子を求引して環の反応性を低下させる置換基。
付加反応 ふかはんのう
分子の不飽和結合のπ結合が開裂して2個のあらたな置換基が結合する反応。
副殻 ふくかく
同じ主殻の電子をその軌道形態によってさらに区分したもの。s,p,d,...などの種類がある。
不斉エポキシ化 ふせいえぽきしか
キラルな試薬の助けを借りてアルケンの酸化でキラルなエポキシドをつくること。Sharpless法が有名。
不斉炭素 ふせいたんそ
4種の異なる置換基をもつsp3炭素。不整炭素。キラル炭素。不斉中心、キラル中心も同じ意味。
不斉増幅 ふせいぞうふく
わずかな鏡像体比率の偏りを化学反応によって大きくすること。
ブタン ぶたん
炭素4個のアルカン。CH3(CH2)2CH3
ブチル基 ぶちるき
CH3CH2CH2CH2-。
不対電子 ふついでんし
対になっておらず、電子軌道に1個だけはいっている電子。
舟形配座 ふながたはいざ
シクロヘキサン環の向かい合う炭素が残りの炭素4個の平面から同方向に持ち上がった形の不安定配座。ボート形
部分電荷 ぶぶんでんか
電子の部分的な偏りによって生じる1価に満たない電荷。
不飽和結合 ふほうわけつごう
二重結合や三重結合など水素を付加させる余地がある結合。
不飽和脂肪酸 ふほうわしぼうさん
分子内に不飽和結合をもつ脂肪酸。
不飽和度 ふほうわど
分子内の不飽和個所の数をあらわす数字。炭素数−(水素数/2)+(窒素数/2)+1。
フラグメント ふらぐめんと
マススペクトルでイオン化時のエネルギーによって分子が分解した断片。
(+)体 ぷらすたい
平面偏光を時計計回りに回転させる鏡像異性体。
(±)体 ぷらすまいなすたい
ラセミ体に同じ。
フラノース ふらのーす
五員環状ヘミアセタール構造をもつ糖。名称は酸素を1個含む五員環分子フランに由来。
フラン ふらん
酸素と炭素4個からなる5員環に二重結合を2個もつ、ヘテロ芳香族化合物のひとつ。
Friedel-Crafts反応 ふりーでるくらふつはんのう
塩化アルミニウムなどのルイス酸触媒を用いて、ハロゲン化アルキル、ハロゲン化アシル(酸ハロゲン化物)でベンゼン環をアルキル化あるいはアシル化する反応。
プリン ぷりん
ピリミジン環とイミダゾール環が互いのC=C結合の位置で縮環したヘテロ芳香族化合物。核酸塩基の骨格の1つ。
ブレンステッド−ローリーの酸塩基 ぶれんすてっどろーりーのさんえんき
デンマークの物理化学者ブレンステッド(1879-1947)とローリーが提唱した酸塩基理論で、水素イオンの供与体を酸、受容体を塩基とする。
プロトン ぷろとん
陽子、すなわち水素の原子核。
プロパン ぷろぱん
炭素3個のアルカン。CH3CH2CH3
プロピオン酸 ぷろぴおんさん
炭素3個のカルボン酸。プロパン酸に相当。CH3CH2CO2H。
プロピル基 ぷろぴるき
CH3CH2CH2-。
分極 ぶんきょく
中性状態からなんらかの要因で、一方が正、他方が負に電荷の偏りが生じること。
分枝 ぶんし
枝分れ。
分子イオン ぶんしいおん
マススペクトルで分子そのままがイオン化したもの。分子量の情報を与える。
分子間結合 ぶんしかんけつごう
分子内のある原子と他の分子内のある原子が電気的に引き合ってできる結合。
閉殻構造 へいかくこうぞう
原子の最外殻電子のs軌道とp軌道が電子で満たされた安定な電子構造。希ガス元素の電子構造に相当。
閉環 へいかん
鎖状化合物から環を形成させること。
平衡状態 へいこうじょうたい
出発物から生成物への反応とその逆反応の速度が等しくつりあった状態。
平衡混合物 へいこうこんごうぶつ
複数の相互変換可能なコンホーマーの一定割合の混合状態
平面偏光 へいめんへんこう
同一平面上に振動面をもつ光。
ヘキサ へきさ
6(個)をあらわす接頭語。
ヘキサン へきさん
炭素6個のアルカン。CH3(CH2)4CH3
ヘキソース へきそーす
炭素6個の糖。六炭糖。
β位 べーたい
ひとつおいて隣の位置。近い順にαβγ。
β-ケトエステル べーた-けとえすてる
β-ケト酸のエステル。
β-ケト酸 べーた-けとさん
カルボキシル基のβ位(隣接位から順にα、β、γなので、すなわち隣の隣の位置)にカルボニルをもつ酸。R-CO-CR'R"-CO2H。
β-ジケトン べーた-じけとん
2個のケト基が炭素1個を介してつながった形の化合物。R-CO-CH2-CO-R'。
ヘテロ原子 へてろげんし
有機化学では、炭素、水素以外の原子。
ヘテロ芳香族化合物 へてろほうこうぞくかごうぶつ
炭素以外の原子を環内にもつ芳香族化合物。複素芳香族化合物。
ヘテロリシス へてろりしす
共有結合が一方の原子に電子2個(アニオンとなる)、他方に0個(カチオンとなる)移動して切れること。(⇔ホモリシス)
ヘテロ芳香族化合物 へてろほうこうぞくかごうぶつ
窒素や酸素などヘテロ原子を環内にもつ芳香族化合物。
ヘプタ へぷた
7(個)をあらわす接頭語。
ヘプタン へぷたん
炭素7個のアルカン。CH3(CH2)5CH3
ペプチド ぺぷちど
アミノ酸が数個〜数十個アミド結合で連なった分子。より高分子になったものがタンパク質。
ベヘン酸 べへんさん
炭素22個の直鎖カルボン酸。ドコサン酸に相当。CH3(CH2)20CO2H。
ヘミアセタール へみあせたーる
アルコキシ基1個と水酸基1個からなるアセタール。ヘミは半の意味。
ぺラルゴン酸 ぺらるごんさん
炭素9個の直鎖カルボン酸。ノナン酸に相当。CH3(CH2)7CO2H。
ペルオキシラジカル ぺるおきしらじかる
R-O-O・構造をもつラジカル。
ペルヒドロ ぺるひどろ
不飽和個所をすべて水素化して飽和したという意味の接頭辞。
ベンザイン べんざいん
1,2-didehydrobenzeneに相当する反応中間体。形式的にはベンゼンの一個の二重結合が三重結合に変わった形。ひずみが大きく不安定で取り出すことはできない。
ベンジル べんじる
フェニルメチル(C6H5CH2-)。
ベンジル位 べんじるい
ベンゼン環に直接結合している炭素の位置。
ベンゼノイド べんぜのいど
ベンゼン型。六角形のベンゼン環共鳴構造が連なった型。
ベンゼン べんぜん
C6H6の環状炭化水素。安定な正六角形の共鳴構造をもち、多くの芳香族化合物の母核をなす。
ペンタ ぺんた
5(個)をあらわす接頭語。
ペンタン ぺんたん
炭素5個のアルカン。CH3(CH2)3CH3
ペントース ぺんとーす
炭素5個の糖。五炭糖。
芳香族 ほうこうぞく
ベンゼン環あるいはその類縁体を含む一群の化合物。脂肪族と対語をなす。昔は芳香をもつ物質が多く知られていたことに由来する。
芳香族化合物 ほうこうぞくかごうぶつ
sp2炭素6個でできる平面分子ベンゼンあるいはその類縁体を基本とする化合物群。
芳香族性 ほうこうぞくせい
平面環状に連なったπ電子をもつ分子が共鳴により安定化している状態。ベンゼンがその代表例なのでこの名がある。
放射性同位体 ほうしゃせいどういたい
放射性を示す同位体。ラジオアイソトープ。
飽和 ほうわ
二重結合、三重結合のような不飽和結合をもたず、炭素に最大限水素が結合した状態。
飽和炭化水素 ほうわたんかすいそ
アルカンに同じ。
保護 ほご
分子の中のある反応条件に不安定な部分を化学修飾して一時的に安定化しておくこと。
ホスゲン ほすげん
COCl2、猛毒の気体。毒ガスに使われたことも。
ホモ ほも
homo-。炭素が一つ多い意味の接頭語。
ホモリシス ほもりしす
共有結合が両側の原子に電子1個ずつを分け合って(2個のラジカルとなり)切れること。(⇔ヘテロリシス)
ボラジン ぼらじん
ベンゼンの炭素原子を窒素とホウ素で交互に置き換えた形の分子。ベンゼンと等電子構造体なので安定。
ボラゾン ぼらぞん
ダイヤモンドの炭素原子を窒素とホウ素で交互に置き換えた形の分子。ダイヤモンドと等電子構造体なので安定で硬い。
ボラン ぼらん
水素化ホウ素の総称。
ポリ ぽり
poly-。多数の意味の接頭語。
ポリエーテル ぽりえーてる
分子内にエーテル結合を多数もつ化合物。特に天然物で環状エーテル骨格が多数連なった構造。
ポリエン ぽりえん
poly(多)+ene(二重結合)。二重結合が分子中にたくさん含まれる構造。一般に、光や化学物質に不安定。
ポリケチド ぽりけちど
酢酸ユニットが順次縮合してできた-CH2-CO-の連鎖を基本骨格とする天然物。
(-)体 まいなすたい
平面偏光を反時計回りに回転させる鏡像異性体。
マーガリン酸 まーがりんさん
炭素17個の直鎖カルボン酸。ヘプタデカン酸に相当。CH3(CH2)15CO2H。
マルコフニコフ則 まるこふにこふそく
ロシアの有機化学者マルコフニコフ(1838-1904)が発見した、アルケンに極性分子が付加するときに、電気的に陽性な部分が水素の多い方の炭素に結合するという規則。
マロン酸 まろんさん
炭素3個のジカルボン酸。プロパン二酸に相当。HO2CCH2CO2H。
ミラーの実験 みらーのじっけん
原始地球環境をモデル化して、フラスコ内で有機化合物を合成した実験。
ミリスチン酸 みりすちんさん
炭素14個の直鎖カルボン酸。テトラデカン酸に相当。CH3(CH2)12CO2H。
無機化合物 むきかごうぶつ
有機化合物以外の化合物。
無機物 むきぶつ
無機化合物に同じ。
メソ体 めそたい
複数のねじれ要素を分子内にもつ化合物で、分子内に対称面(鏡をおくと双方の鏡像が同一になる)をもつ異性体。分子内でねじれが打ち消しあうため、ねじれ要素があるにもかかわらず光学不活性になる。
メタ めた
ベンゼン環の1つおいて隣の炭素上に2つの置換基がある配置、またその異性体。
メタ配向性 めたはいこうせい
置換ベンゼンへの求電子置換反応で、あとからはいる置換基がもとの置換基のメタ位にはいりやすいこと。
メタン めたん
最も簡単な炭化水素。CH4
メチオニン めちおにん
イオウを含むアミノ酸の一つ。CH3SCH2CH2CH(NH2)CO2H。生体内でメチル基の供給源として働く。略号Met、M。
メチル基 めちるき
メタンから水素1個取り除いたアルキル基。CH3-。
メチレン めちれん
CH2。置換基としては、CH2=。
メチン めちん
CH。
メトキシ基 めときしき
メタノールに由来するアルコキシ基。CH3O-。
メルクインデクス めるくいんでくす
米メルク社発行の化合物辞典。
モノ もの
1(個)をあらわす接頭語。通常は省略される。
モノテルペン ものてるぺん
イソプレンユニット2個からなるC10のテルペン。
有機化学 ゆうきかがく
炭素化合物の化学。
有機化合物 ゆうきかごうぶつ
炭素の化合物(一部の例外を除く)。
有機金属試薬 ゆうききんぞくしやく
炭素−金属結合をもつ試薬。炭素がアニオン性ももつため、炭素−炭素結合形成に利用される。
誘起効果 ゆうきこうか
両原子の電気陰性度の差により共有結合電子が偏って結合の分極をおこすこと。
有機酸 ゆうきさん
カルボキシ基(-CO2H)などの酸性官能基をもつ有機化合物。
有機物 ゆうきぶつ
有機化合物に同じ。
誘導体 ゆうどうたい
ある母体化合物の構造の一部を変化させてできた化合物。
遊離基 ゆうりき
ラジカルに同じ。
UV/VISスペクトル ゆーぶいびすすぺくとる
紫外部(200-400nm)と可視部(400-750nm)の吸収スペクトル。共役系などで電子の励起を観測できる。
陽イオン よういおん
正電荷をもつイオン。
陽子 ようし
原子核を構成する粒子。正電荷をもつ。
四級炭素 よんきゅうたんそ
水素が結合していない炭素。
四置換オレフィン よんちかんおれふぃん
二重結合のすべての水素がアルキル基で置換されているオレフィン。
ラウリン酸 らうりんさん
炭素12個の直鎖カルボン酸。ドデカン酸に相当。CH3(CH2)10CO2H。
酪酸 らくさん
炭素4個の直鎖カルボン酸。ブタン酸に相当。CH3(CH2)2CO2H。
ラジカル らじかる
不対電子をもつ化学種。通常は7電子状態にある。きわめて反応性に富む。遊離基。
ラジカル反応 らじかるはんのう
ラジカルが関与する反応。1電子ずつの移動による。
ラセミ化 らせみか
分子内のねじれ要素が逆ねじれに変化し、最終的に両方向のねじれが半分ずつの混合物になって、光学不活性になること。
ラセミ体 らせみたい
(±)-体、dl-体。鏡像異性体の等量混合物。光学不活性。
ラベル らべる
標識。天然存在比の小さい同位体を分子の特定個所に導入して他と区別できるようにすること。
リガンド りがんど
配位子。
リグノセリン酸 りぐのせりんさん
炭素24個の直鎖カルボン酸。テトラコサン酸に相当。CH3(CH2)22CO2H。
リシン りしん
塩基性アミノ酸の一つ。H2N-CH2-CH2-CH2-CH2-CH(NH2)-CO2H。略号Lys、K。
律速段階 りっそくだんかい
2段階以上の反応で、最も反応速度の遅い段階。全体の反応速度の鍵となる。
立体異性 りったいいせい
原子の配列(結合順序)は同じだが、三次元的な位置関係が異なる異性。シス−トランス異性、鏡像異性など。
立体障害 りったいしょうがい
分子の物理的な大きさによる反発で、分子の動きや反応性に制約を受けること。
立体選択的 りったいせんたくてき
ある特定の立体配置をもつ分子骨格を他の異性体と区別して優勢に得ること。
立体的要因 りったいてきよういん
分子の反応性に影響を及ぼす要因の一つ。反応点の周囲が空間的に込みあっているか、余裕があるかによって反応性に差がでること。
立体配置 りったいはいち
分子内のある置換基と他の部分との立体的な位置関係。結合の回転だけでは相対関係が変わらない。
両アリルラジカル りょうありるらじかる
2つの二重結合にはさまれた炭素上のラジカル。両側に共鳴安定化できる。
両鈎矢印 りょうかぎやじるし
通常の鈎がふたつついた矢印(→)。電子2個の動きをあらわす。
両性 りょうせい
場合によって酸性、塩基性、両方の性質をもつこと。
両頭矢印 りょうとうやじるし
複数の電子構造を結んでお互いに共鳴関係にあることを示す矢印(←→)。
ルイス酸 るいすさん
非共有電子対を受け取る性質をもつもの。BF3、AlCl3など。
ルイスの酸塩基 るいすのさんえんき
アメリカの物理化学者ルイス(1875-1946)が提唱した酸塩基理論で、電子対供与体が塩基、受容体が酸と定義される。
累積二重結合 るいせきにじゅうけつごう
C=C=Cの形に二重結合が連続して並んでいること。
レセプター れせぷたー
受容体。生理活性を示す分子が特異的に結合する細胞表面や内部の部位。
連鎖反応 れんさはんのう
ラジカル反応が伝搬段階において連続して進行すること。
6-6員環 ろくろくいんかん
6員環、すなわち6角形が二つ並んで配置した二環系。
ローンペア ろーんぺあ
孤立電子対。結合に関与していない電子対。
Wagner-Meerwein転位 わぐなーめあうぃんてんい
カンフェンヒドロクロリドからイソボルニルクロリドへの転位。一般に、カルボカチオン経由のアルキル(アリール)基、ヒドリドイオンなどの転位反応。

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