物理

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シュレーディンガーの猫(その2)


さて、先程お話しましたように、箱の中に入った猫の「生・死」は、原理的に決定できないんですね。どっちだとも決められません。

けれど、「猫の状態」としては、「」か「」のいずれかの状態しか有り得ませんよね。

つまり、箱の中の猫は、「生の状態」と「死の状態」が、区別できない状態として「ごちゃ混ぜ」になっている訳です。

(注意して下さい。ごちゃ混ぜなのは、原理的にですよ)

この様に、複数の状態が、区別できない状態として、ごちゃ混ぜになっている事を「縮退している」と言います。(縮退は「しゅくたい」と読みます)

例えば君が、高校生ならば、身の回りにも縮退している事があります。

クラスメイトのこれからの進路は、人によって違いますね。手近な話としては、進路の縮退です。卒業後、大学に進学する人、短大に進学する人、専門学校に進学する人、就職する人・・・・将来さまざまな方向に分かれて生きて行く事になりますが、今は皆、高校生であり、区別は付きませんんね。5年後にはきっと、全然違う世界を生きているはずですが、今はみんなごちゃ混ぜに混じり合っています。

ところで、猫の話に戻りましょう。

猫の生死を確認するために箱を開けると、箱が爆発して猫は死んでしまうんですね。つまり猫の生死が確定する訳です。

この様に縮退していた二つ以上の状態が分離する事を、「縮退が解ける」と言います。

君たちの将来も、卒業時にはある程度、縮退が解けます。

浪人した人達は、その翌年、さらに縮退が解けます。

そして30年後には、もとは一つの状態に縮退していたなどというのはおよそ信じられないくらいに、ばらばらの状態に遷移するでしょう。

もう少し、理科らしい説明をしましょうか。

貴方は、真っ暗な部屋の中のイスに、腰掛けています。

目の前には(暗くて見えませんが)机があり、その上には何やら載っている事は知っています。しかし、何かは知りません。

つまり机の上の物は、縮退しています。お花が置いてあるかもしれません。ステーキが置いてあるかもしれません。テスト問題が置いてあるかもしれません。また、猫かも知れません。(^^)

しかし、新幹線や東京タワーが載っている事は無いでしょう。(大きすぎて載らないから)

つまり机の上では、「ある程度の大きさの物達」が縮退しています。

ここで、その「机の上の物」に手を伸ばしましょう。触ってみます。

・・・・・??

薬包紙に載った「粉」の用です。

さらさらした粉です。

砂?食塩?胡椒?砂糖?小麦粉?パン粉?炭酸水素ナトリウム??

粉という事は分かりますが、どんな粉かは分からないので、まだ「粉」という状態で縮退しています。

ここで部屋の電気を、点けてみます。あ、白い粉です。

そうなると、砂や胡椒ではない事が確定しました。

しかしまだ、「白い粉」である事に縮退しています。

ではいよいよ、舐めてみましょうか。

ペロリ・・・・

う〜ん。お砂糖だった様です。

・・・・・

さて、話を整理しましょう。

机の上にあったものは、最初から「お砂糖」であったはずです。 しかし貴方には、それが分かりませんでした。ですから「縮退していた」訳です。

で、最終的に縮退が解けて、「お砂糖」に確定しましたが、どうして「縮退が解けた」のですか?

そう、触ったり、電気を点けたりと、その「観測対象」に「働きかけ」て、「観測」したからですね。

つまり物事は、「貴方が」「観測」する事で「縮退が 解け」ます。貴方が観測しない限り、縮退しています。

つまり貴方の未来は、まだ「縮退」しています。

しかし、勉強しないで遊んでばかり居るならば、貴方の未来に「貴方が大学生の状態」が縮退している可能性は低いですね。

かといって、勉強ばかりしているからといって、「幸せな未来」が確定している訳でもありません。縮退はしているかもしれないけど・・・

貴方がいわゆる(俗に言う)「良い大学」の学生であるからといって、「明るい未来」は確定していませんし、プータローに幸せが縮退していないとも言えません。

全ては、「時間の経過」と「評価基準」という「観測」が「縮退を解いて」くれるでしょう。

しかし「観測の方法」も一通りではありません。「幸せの形」がいろいろある以上、「評価する」「観測方法」はいろいろあります。「社会的地位」「年収」「財産」なんて分かり易い基準もありますが、そんなことでは、必ずしも計れないでしょ?

周りの大人達を見渡してごらん(^^)。

観測が無い限り、何も決まりません。

また、観測の方法に依って、結果も変わります。


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