SF-tuzureoriC9


SF綴れ織り

TommyおじさんのSF綴れ織り(99-5)

−1999年2月27日−


『プラネットハザード:J.A.ガードナー』


 またまた、新たな作家との出会いである。嬉しいことだ。   
何だろうね?こういうのも”あり”なのだろう。たしかに読み始め
ると釘づけになると帯に書いてあったが、テンポよく最後まで読ま
せる勢いはある。そして、こういうパターンはあまりなかったのか
も知れない、と思う。                    

 サブタイトルは『惑星探査員帰還せず』。まったく、この通りの
お話である。ガードナーの描く25世紀の未来史の宇宙では、人類
は既に多くの知的生命体と遭遇しており、謎めいた高次の知的生命
体によるルールが確立した<種族同盟>の一員となっている。  
 高次の知的生命体はガス状であったり、光っていたり、まったく
人類には視ることができなかったりと謎めいており、何らかの方法
で人類が知的生命体らしからぬ振る舞いをしていないか、四六時中
監視しているらしい。基本的なルールは「他の知的生命体を殺害し
ない程度の分別をそなえているか」ということのようだ。ルールを
破る知的生命体は<非知的生命体>と誹りを受け、惑星系に封じ込
められることになる。そんな<種族同盟>の宇宙では、いかに友好
的にファーストコンタクトを果たすかは重要なこととなる。主人公
はそのファーストコンタクトの重責を担う<惑星探査員>である。

 序盤は謎めいたガードナーの未来史への期待と、誰ひとり帰還す
ることがないといわれる惑星メラクィンの謎に引き寄せられて、テ
ンポ良く読み進むことができる。だが、惑星メラクィンに到着して
からは期待感は萎んでいくばかりとなる。まあ、後は・・・。  

 むしろこの作家の関心は”異端”というベクトルにあるだろう。
惑星探査員は「肉体的な瑕疵を負っていること」が条件となってい
る。これはファーストコンタクトにおいて、何らかの事由で人命が
失われたとき、こうしたハンディキャップを負った探査員であると
きのほうが全体の志気を低下させない、という子供じみた理由であ
るらしい。私には、むしろガードナー自身の執着ではないかと思え
る。物語の後半で登場するガラスの躰のヒューマノイドとの対比も
作家自身の関心ではないだろうか。だが、それが何から由来するも
のなのか、最後まで得心はいかないままだった。        

 この作品は、これからガードナーが描こうとする未来宇宙史の序
章であるようだ。ネタをたくさん仕込んでおいたフリという位置に
この作品はあるのかも知れない。その意味では、これからの楽しみ
を与えてくれたのかも知れない。               








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