SF-tuzureoriA6

TommyおじさんのSF綴れ織り(98-7)

−1998年4月26日−


『ファウンデーションと地球:アイザック.アシモフ』 
『ファウンデーションへの序曲:アイザック.アシモフ』


 実は最近、読むことのほうが忙しくて「SF綴れ織り」のアップ
デートを疎かにしていた。このアシモフの『銀河帝国興亡史シリー
ズ』7部作も、どうしても読みおとすことはできなかった。   
 既に1部から4部まで、そして7部を読んでいたので、この5部
と6部を読みおとすわけにはいかなかったのだ。文庫本として出版
されてすぐ購入し、「積ん読」待ち行列の山にキューしていたのだ
が、どうしても2作連続で読み進みたくて、延び延びにしていたも
のだ。読み始めればアシモフの作品らしく、あっという間に読み進
むことができる。                      
 なんと言えばいいのだろう。アシモフは<教養娯楽小説>として
のSF大家である、と言えば誤解を招くであろうか。私自身はその
思いを強くした。彼の関心は、彼自身の作品『銀河帝国興亡史シリ
ーズ』そのものにあったのだ、と。その意味では、現在のエッジに
切り込むことなど、期待しないほうがいい。しかし、確かに面白い
ことも間違いないし、これだけの長い時間を費やして、シリーズを
完結させた巨匠の力業にも敬意を表したい。          
 どうやら私は、この<現在>というエッジに触れる作品群と、ア
シモフに象徴される作品群とを対比してみているようだ。    
 80年代後半のギブスンやスターリングといったサイバーパンク
ムーヴメントと、オースン・スコット・カードとの対比のように。
そこで、カードの「エンダーのゲーム」も読み返してみた。で、結
論は?と聞かないでほしい。どちらも私の心の栄養剤であることは
間違いないからだ。                     

 さて、シリーズ5部『ファウンデーションと地球』と6部『ファ
ウンデーションへの序曲』である。              
巨匠は巧みである。「興亡史シリーズ」のなかでは、歴史的順序は
ランダムであるのに、謎が次から次へと明らかにされるといった感
慨がある。5部『地球』では、トレヴィスがシリーズ全体の帝国と
ファウンデーションとガイアの、多極構造を明らかにする。そして
6部『序曲』では「心理歴史学」の始祖、セルダンがシリーズの始
まりを明らかにする。全てのアシモフファン、「興亡史シリーズ」
ファンには必読の作品である。しかも、アシモフのもうひとつのシ
リーズ「ロボットシリーズ」とも連結させるという大業さえ登場す
るのだから、まさに垂涎ものである。             

 もうひとつ欲を言えば、このシリーズもカードの「エンダーのゲ
ーム」も、もっと若いときに読みたかったものだ。できるならば、
中学生くらいのときに読めば、物語の醍醐味を堪能することができ
たろうに、と残念でならない。齢を重ねた今となっては、そのよう
に純粋には読めなくなっていることが残念でならないのだ。若い方
に読んでいただきたいものだ。                









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